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林経新聞 紙面から

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◆  12月21日付 

 来場減、選別買いでも好調〜岐阜銘協「大謝恩特市」、売上げ前年を1割上回る

1221  岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は14〜15日、今年最後の特別市「大謝恩特別市」を開いた。出品口数は製品2409口、原木607口で、ともに前月市を上回った。良材を除いて慎重な手当てが続く原木は最近、出品が減っていたが、今回は前年同月比7割増となった。参加者は新型コロナウイルス「第3波」の中、延べ200人と前月比3割減少したが、買気のある買方が集まった。
 売り上げは製品6300万円、原木3300万円、計9600万円と前年同月実績を1割ほど上回った。
 従来、納市は新年の需要などに向けて手当て、売り上げとも伸びていたが、最近はその傾向が薄くなっている。加えて今年はコロナ禍の影響から先行き不透明感で、手当てには慎重さがみられた。
 製品では2メートルトチ板縮杢が43万円の高値で売れたほか、ウォールナット類、サクラなどの板が人気で、需要がある家具・造作向けの手当てが強かった。
 ケヤキ製品は、盤類の高値材は敬遠されたが、指値を下げることで良質な板、丁物にも手当てが集まり、全体の売上増に貢献した。
 原木ではトチが立方当たり50万円(2・2メートル×80センチ、写真)を最高に25〜45万円と、相変わらずの人気。ほかミズメ、サクラなど広葉樹良材への選別手当てが目立った。
 ケヤキは本代250万円(8メートル×102センチ、8・653立方メートル)を最高に、立方メートル当たり20〜30万円が高値。市況は足踏み状態が続いている。スギ、ヒノキは寄りつきが弱く、選別買い。
 次回は来年1月14〜15日に「新春初市」が行われる。
 

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◆  12月17日付 

 ATAのトラス構法とHBビームで新倉庫〜長良川木材事業協同組合

1217  長良川木材事業協同組合(岐阜県郡上市白鳥町中津屋、大野英輔代表理事)はこのほど、新たな製品倉庫を工場敷地内に完成させた。同倉庫では中国木材梶i広島県呉市、堀川智子社長)の異樹種集成材「ハイブリッドビーム」、鰍`TA(富山県滑川市、大倉義憲社長)の「ATAハイブリッド構法」をそれぞれ採用した。
 建築面積は706・2平方メートル(幅24・57メートル、長さ30・94メートル)、軒高6・31メートルで、プレカット加工と建て方はセブン工業梶i岐阜県美濃加茂市、木下恒一社長)が担当。
 使用した木材は約110立方メートル、うち構造材が85立方メートルで、トラス部分、梁、柱などに「ハイブリッドビーム」を使用。同製品は外側が米マツ、中身がスギの異樹種集成材だが、スギには地域材となる岐阜県産スギを用いた。
 「ATAハイブリッド構法」はトラスの圧縮方向に木材、引っ張り方向に金属のワイヤーを使用した屋根部材。大スパンが可能で今回は積雪2・3メートルを想定した24・57メートルの大スパンを実現した。
 完成に当たって11日には工務店、設計士などを招いて公開見学セミナー=写真=を開催した。
 あいさつに立った大野代表理事は同組合の工場が2015年に稼働し、前期の原木使用量が7万1000立方メートルであったことなどを紹介。また、24年度までにバイオマス発電施設を設ける計画で、設備の一層の充実を図っていくと述べた。
 セミナーではプレカットと建て方を担当したセブン工業が「構造材の加工に158時間、羽柄材加工に15時間、建て方が17日だった」と作業時間を報告した。その後、中国木材の国産材製品の紹介、ATA大倉義憲社長による同構法のプレゼンも行われた。
 

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◆  12月14日付 

 品薄高、ヒノキ良材が強含み〜鈴鹿木材「期末謝恩市」、適材不足で買方に焦りも

1214  鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市徳居町、森啓介社長)は5日、「期末謝恩市」を、ヒノキ・スギを主体とする2700立方メートルの出品量で開いた。集材には厳しさが残っているが、一年で最も質が良い時期とあって多数の買方が来場。手当て意欲も良好で売りやすい展開となり、5500万円を売り上げた。
 秋から年末にかけて丸太を多めに手当てし在庫しておこうとする製材業者は多いが、今年は長引く品薄のため「在庫が貯まらない」という声が聞こえており、買方にはやや焦りもみられた。欲しい材は多少高くてもセリ落とそうとする有力業者があり、典型的な品薄高の展開となった。
 相場は強含み。主な出来値はヒノキ並材柱取り3メートル×16〜18センチ1万8000〜2万円、4メートル中目1万8000〜2万円、良材は4メートル中目4万円前後、尺上の元玉良材は5メートル×46センチの16万円をはじめ10〜14万円、主流は4〜6万円だった。
 スギは並材が1万〜1万2000円、中目のきれいな材が1万3000〜1万6000円、元玉良材は2万〜2万5000円。
 

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◆  12月7日付 

 米マツ小割など上げ評定〜日米協・名古屋の11月例会、在庫減で相場荷動き

 日本米材協議会・名古屋支部(鈴木龍一郎支部長)は11月26日、月例会を名古屋木材会館で開いた。
 米材製品は米国内の活発な住宅建設などから荷動きが好調で、日本への入荷が減少。国内では品不足から市況は強含みで推移している。プレカット工場の稼働が堅調なことから需要も出始めており、再び値上げの動きをみせるSPFディメンション材などを含めて先高観が強まっている。
 ただ需要環境は好不調の格差が大きく、全体としては盛り上がりに欠ける。大手住宅メーカーの受注は4〜6月の低迷から夏以降は盛り返しているが、工務店ルートは受注の伸びを欠いている。流通問屋は入荷減による在庫縮小で、取り扱う商材の確保にも苦労している状態だ。
 今月の評定は品薄の米マツ小割類を立方メートル当たり前月比2000円上げ、SPFディメンション材を同1000円上げ、それ以外の米ツガ、米ヒバは横ばいとされた。ホワイトウッド製品も在庫減とコスト高を反映して、ソリッド間柱を同2000円上げた。
 

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◆  12月3日付 

 「GoToビルド」で経済活性化を〜大阪府木連が「木材産業振興大会」開く

1203  一般社団法人大阪府木材連合会(府木連、津田潮会長)は11月27日、「第46回大阪府木材産業振興大会」を大阪市西区立売堀の建設交流館で開いた。 冒頭、業界の物故者に黙祷を捧げた後、津田会長=写真=が「新型コロナウイルスについては幸い府木連関係の感染者は出ていないが、引き続き感染防止対策に取り組む」と述べた。また数日前に本郷浩二林野庁長官と対談して「ウッドファースト社会の実現に努めていくことを確認した」と報告した。
 次に大会宣言決議を全会一致で可決した。
 決議後、業界従事功労者表彰、来賓祝辞を行い、受賞者を代表して潟Aサノの安田恒一氏が「これまでの経験を生かし、業界発展に全力を尽くす」と謝辞を述べた。
 式典の後、9月28日と11月16日に開催した「コロナ退散祈願花火大会」の様子をドローンで撮影した映像が上映されたほか、旧潟~ドリ電化(現潟Gディオン)創業者の安保詮氏が私財を投じて建設し、兵庫県尼崎市へ寄贈した尼崎城の設計を担当した大和デザインファームの大和雅生代表が「尼崎城築城にあたって」と題して記念講演を行った。
 大会宣言、業界従事功労者表彰の受賞者は次のとおり。
【大会宣言】1.現在、GoToトラベル、GoToイートキャンペーンが実施されているが、裾野が広く経済効果の高い「GoToビルド」キャンペーンの実施を関係省庁に働き掛ける 2.都市部での木材利用の大幅な拡大のため法律、制度の見直しなど抜本的対策の実現に取り組む 3.府や市町村と連携し、森林環境譲与税の活用を大いに図る 4.マスティンバーの活用につながる、NLT(ネイル・ラミネイティッド・ティンバー)など新たな木材需要を創出するため技術開発、普及に取り組む 5.大阪・関西万博2025のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向け、木材利用の大幅な拡大を実現するため「ウッドファースト社会おおさか」の実現を図る―
【大阪府知事感謝状】安田恒一(潟Aサノ)▽折出哲史(同)▽村嶋久(同)
【全国木材組合連合会木材産業功労者】林野庁長官感謝状=土井文男(大阪木材仲買協同組合)▽全国木材組合連合会会長表彰=中畑安伴(府木連)、松波清人(同)、吉村昇一郎(大阪木材仲買協同組合)=敬称略
 

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◆  11月30日付 

 スギ良材に売りやすさ〜東海相互・大口市場「全市連・全優展」2.2億円売る

1130  東海木材相互・大口市場(愛知県大口町河北、小森淳史市場長)は20日、素材市「全市連主催全国優良木材展示会」と製品市「総力祭」を開いた。出品量は素材2800立方メートル、製品5400立方メートル、売り上げは素材市1億3900万円、製品市7900万円、総額は前年比11%減の2億1800万円だった。平均単価は素材が立方メートル当たり6万1000円、製品が7万6300円、買い上げ者は248社。
 式典で全日本木材市場連盟の西垣泰幸会長があいさつに立ち「SDGsでは持続可能な森林経営の実現が掲げられており、合法木材の利用が不可欠。木材市場が果たす役割は大きい。サプライチェーンの構築と安定供給を実現し、コロナ禍を乗り切っていこう」と呼び掛けた。
 テレビ番組の取材が入るなど、にぎやかな市となったが、買方の手当て意欲は前月に比べてやや減退した。
 コロナ禍によって神社仏閣の仕事が減少しているとみられ、ヒノキ選木級、大径材が売りづらく、一方で並材は品薄から小強かった。スギは品薄から売りやすく、3メートル×88センチに立方メートル当たり40万円がつくなど全般に高値となった。
 並材の相場は強含み。主な出来値はヒノキ中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万7000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万7000円で1000円高、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万7000円で横ばい。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万3000円、4メートル×30センチ上が1万3000円で横ばいだった。
 製品市も10月と比べて買気が薄くなっており、リフォーム用材、銘木類などを粘って販売する展開となった。入荷量が少なく荷余り感はないが、低位で需給バランスが取れており、単価は保合。
 

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◆  11月26日付 

 品薄、ヒノキ土台に引き合い〜西垣林業・名古屋の特別市、前年実績上回る

1126  西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区桃園町、中村智幸市売部長)は18日、特別市を開いた。109社の買い上げにより、売り上げは前年を若干上回る9400万円、平均単価は立方メートル当たり7万5000円、来場者は21人だった。
 模様眺めの立ち会い者が多く、役物などの売れ行きもいまひとつだった。一方、ヒノキ造作材や木曽ヒノキ、銘木などの「蔵出し品」は人気を集めた。
 一般材はヒノキ土台の引き合いが強く、入荷した分は足早に売れた。ただ需要が出てきたというよりは、必要な分が足りないほどの品薄による補充買い。原木の品薄が解消していないため、ヒノキ土台の供給は当面、少ないとみられる。
 夏ごろと比べると、必要なものは確実に手当てされる雰囲気が出ており、今回市は前年をやや上回る売り上げを確保した。ただ前年11月は消費税増税の直後で落ち込みが激しかった。このため「増税直後の水準に戻っただけで、上向いてはいない」と市場ではみており、この先もニーズに合わせた集荷を徹底していくとしている。
 

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◆  11月23日付 

 13社27人を優良社員表彰〜日本木工機械工業会、業界躍進の原動力に

1123  一般社団法人日本木工機械工業会(菊川厚理事長)は17日、「2020年度優良社員表彰式」を名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦で開催した。今年の優良社員は会員企業13社の27人だった。
 菊川理事長は関係者に謝意を伝えた後、優良社員に祝意を示して「これから業界躍進の原動力になってほしい」と激励した。
 また来年10月に開催予定の「日本木工機械展」については「万全の感染防止策を講じた上で、開催したいと考えている」と述べ、協力を要請した。
 来賓祝辞では大村秀章愛知県知事(代理=愛知県産業振興課長)の「愛知県をモノづくり世界一の拠点に」、河村たかし名古屋市長(代理=名古屋市経済局中小企業振興課長)の「地域産業発展に力を貸してほしい」という、それぞれのメッセージが伝えられた。
 最後に優良社員を代表して椛セ平製作所の和田憲明氏が「今あるのは先輩方のおかげ。今後も社業発展のため精進する」と述べた。
 今年の優良社員は次のとおり。
 ▽アミテック梶@横山大樹、浅野芳志▽飯田工業梶@伊藤万理耶▽井上電設 叶口宏樹▽オーアイ・イノベーション梶@蘇輝▽兼房梶@中尾亮志、水野勝史、水野正己、大河内紀和▽キクカワエンタープライズ梶@森島豊彦、小林和浩▽SHODA梶@安間真、竹上直樹▽椛セ平製作所 坂本憲紀、和田憲明▽鞄圏m鐵工所 川島英朗▽橋本電機工業梶@小島満、石川幸宏▽兜ス安コーポレーション 渡辺秀光、村木博敏▽宮川工機梶@松下恵、太田豊、寺内美紀、林弘▽竃シ南製作所 倉田秀俊、西村律男、岡野裕=敬称略
 

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◆  11月19日付 

 木造・木造化で共存共栄を〜山西あすなろ会が総会、都市の木造化事業に期待

1119  山西あすなろ会(阿部一雄会長)は13日午後1時30分から、総会と講演会を名古屋市中区の名古屋観光ホテルで開いた。取引先工務店、商社、仕入れ先関係者など約50人が出席。今回は新型コロナウイルス感染防止対策として参加者を限定し、懇親会も行わなかった。冒頭、14年にわたって会長を務め、このほど相談役に就任した丹羽規之氏(樺O羽工務店会長)が「長い間会長を務めてきたが、若い阿部氏に会長をお願いすることになった。阿部建設は創業100年以上の伝統がある。新しい会長の下、今後も会員が協力し合い、絆を深め、健全経営を図っていきたい」とあいさつした。
 阿部会長=写真=は「山西の社史を改めて読み、さまざまな転機の中で粛々と発展を続けてきた歴史を学んだ。ぜひ一緒にやっていこうと思った。需要が縮小する中で工務店、メーカーなどが競い合っても仕方がない。同じ目的をもって、ともに進みたい。正しい情報の交換を行い、皆さんと一緒に会を盛り上げたい」と述べた。
 西垣洋一顧問(且R西社長)は「山西は68期を迎えたが、今年は感染症の話題ばかり。コロナ禍で大きな変化が生まれ、事業形態も変わろうとしている。この中で会社をどう守っていくのか。共存共栄を図る以外にない。木造住宅の需要減は不可避だが、技術力の向上により3階建てまでの需要は期待できる。愛知建築士会、愛知県木材組合連合会などが『環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会』を設立した。今後、都市の木造化に向け具体的な活動に入る。非住宅は面積が大きく、多くの木材需要が期待できる。国産材の有効利用を進め、木造インフラを整備し建築事例を増やしていきたい。地域の皆さんとこれらを進めていきたい」と述べた。
 

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◆  11月16日付 

 熱を逃がさず水分のみ排出〜ビシュウ、省エネ・低コストの乾燥機導入

1116 1116_2  集成材・不燃木材の潟rシュウ(愛知県春日井市、保坂英雄社長)はこのほど、熱エネルギーを有効活用して木材を乾燥させる新たな発想の「低温空気循環乾燥機」の1号機を導入し、稼働を開始した。10日には報道関係者らに同機を公開した。
 同乾燥機は牛r井家具製作所(群馬県太田市、荒井康芳社長)の荒井良男会長が、家具部材の乾燥について長年にわたる試行錯誤を続け、東京工業大学との共同研究によって開発した。
 従来の乾燥機では水分ととともに機外に排出していた熱を、同機は外壁の空気層で循環させて有効活用し、水蒸気のみを特殊構造の壁から外に出す。
 躯体には熱伝導率の低い木材、ポリエステルなどを使用することでランニングコストの削減、稼働時の熱損失を抑える。このため少ない熱量で乾燥が行えるほか、工場の他所で発生した余剰熱や家庭用ボイラー、ソーラー温水器などの熱を取り込んで運用することも可能。43度以下での低温乾燥もでき、木材の色、つや、香りなどを劣化させない。
 

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◆  11月12日付 

 原木品薄で売りやすさ〜下呂総合市売協「木魂市」、売上げ前年並みを確保

1112  下呂総合木材市売協同組合(岐阜県下呂市乗政、杉山永喜理事長)は4日、「木魂市」を地元産「ぎふ証明材」ヒノキ、スギを主体とする約1213立方メートルの出品量で開いた。売り上げは1800万円、平均単価は1万4800円だった。
 今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため例年執り行っていた神事を中止し、入札会のみとなった。
 下呂市は7月の豪雨災害により、まだ林道が回復していない個所も多く集材に苦労したが、ほぼ昨年並みの出品量を集めることができた。このため開市前のあいさつで杉山理事長=写真=は出荷主に感謝の意を示した。
 良材が少なく苦戦も予想されていたが、長引く原木の品薄により買方の在庫が減少しており、売りやすい展開となった。単価は伸びないものの元落ち少なく買い進まれ、ほぼ全量を販売。前年並みの売り上げを確保した。
 主な出来値はヒノキ柱取りが1万6000〜1万8000円、4メートル中目が1万8000円前後、役物取り元玉良材が4万〜4万5000円。スギは柱取りが1万円前後、4メートル中目が1万3000円前後、元玉良材が1万8000円、選木クラスが4万円前後だった。
 

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◆  11月5日付 

 積極手当てで前年上回る〜鈴鹿木材「秋季市」、出品量確保、スギ良材に高値も

1105  鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市徳居町、森啓介社長)は10月26日、「秋季市」ヒノキ・スギを主体とする素材と製品約2700立方メートルの出品で開いた。全国的に原木の品薄が解消しない中、前年同市を上回る出品量を確保した。買方は手持ち在庫が減少しているとみられ、手当てに積極的だったことから、売り上げは前年をやや上回る5500万円となった。
 ヒノキは、欠点の少ない中目材が人気で単価も伸びたが、全般には保合推移だった。
 スギは品薄気味で、良材は高めの単価でセリ落とされたが、色が良くないと敬遠される傾向があった。全般には売りやすかった。
 単価はヒノキ、スギとも保合。主な出来値はヒノキが尺上の元玉良材3〜4万円、並材は4メートル中目が2万円前後、3メートル柱取りは1万8000円前後。
 スギは選木クラスが3〜5万円、4メートル×22〜24センチが1万〜1万2000円、4メートル中目が1万1000〜1万2000円、並材は8000〜1万円だった。
 

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◆  11月2日付 

 公共事業の木造・木質化を県に要望〜愛知木材利用推進協、大村知事と懇談も

1102  愛知県木材利用推進協議会(愛知県木材組合連合会など9団体で構成、西垣洋一会長)は10月26日に愛知県庁を訪れ、公共事業での木材利用の要望活動を大村秀章知事、副知事、総務局、愛知県議会などに対し行った。
 最初に県議事堂1階会議室で同協議会の総会を行い、諸議案をすべて承認可決した。
 続いて副知事室、総務局、建築局と回り、西庁舎のスポーツ局、教育委員会へ。次に愛知県議会の議長室、副議長室、農林水産委員長、自民党県議団に要望書を届けた。
 最後に愛知県公館で大村秀章知事に要望書を手渡した=写真は要望書を受け取る大村知事(中央)、向かって左が西垣会長、同右が村松幹彦愛知県森林組合連合会会長。
 続いて懇談会を行った。西垣会長は外国で高層の木造ビルが建設されていること、日本国内でも中層の木造建築物が計画されていることなどを例に挙げ、「技術が進展し、大型の木造建築が可能になっている」と都市の木造化について説明した。
 大村知事は「あまり大規模なものでなく、3〜4階建てを増やすのが現実的でよい」と述べ、理解を示した。
 今回の要望内容は、1.2026年のアジア競技大会など大規模プロジェクトにおける関連施設などでの木造・木質化の推進 2.低層非住宅や高層建築物における県産木材の利用のため県、大学、建築関係、木材関係者の連携協力による木造・木質化に関する技術者の育成 3.「あいち木づかいプラン」に即して県が整備もしくは補助する公営住宅、学校、福祉、公園など公共施設や公共事業における木材利用促進 4.市町村が行う森林環境譲与税を活用した木材利用への支援―の4点。
 

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◆  10月29日付 

 粘りの商談で7割を成約〜西垣・名古屋市場「問屋まつり」売上げ2.1億円、厳しさも

1029  西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区桃園町、中村智幸市売部長)は21日「第33回問屋まつり」を開いた。131社の買い上げで売り上げ2億1000万円、平均単価は立方メートル当たり7万7000円、来場者は70人。
 午前11時から愛媛県産材展「媛すぎ・媛ひのき 愛媛材まつり」を開いた。また午後1時からは鈴木伸一問屋会長(Aishin Hikari浜)があいさつした後、セリ売りが行われた。
 売り上げは前年比40%の大幅増だが、昨年10月は消費税増税の直後で、売り上げが非常に少なかった。今回も例年に比べるとやや厳しい数字だった。
 「愛媛材まつり」はメーカー10社が出品。PRタイムの後に商談を行った。153立方メートルを売り、売り上げは716万円だった。
 セリ売りはヒノキ、スギの役物やケヤキ銘木などの品ぞろえで、通路全体に配列するほどの大量出品だった。来場者が昨年よりもやや少なく、買方の姿勢は模様眺めだったが、問屋が粘り強く販売し出品材の約7割を成約した。
 

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◆  10月26日付 

 新時代のニーズに挑戦〜宮川工機「テクノフェア2020」を開催、大断面CLT加工機などに注目

1026  宮川工機梶i愛知県豊橋市、宮川嘉隆社長)は20〜23日、「宮川テクノフェア2020」を本社特設会場で開いた。期間中は全国の顧客など延べ300人が参加した。フェアでは「宮川クオリティ〜新たな挑戦」をテーマに、新商品の超大断面CLT加工機など、時代に合わせた新しい提案ができる機種が多数展示された。
 循環資源である木材を有効活用するため、特に非住宅の中大規模木造建築物への関心が高まる中、昨年10月に開かれた「日本木工機械展」で発表され、話題となった超大断面CLT加工機「MPS‐71」=写真=が注目を集めた。同機は、横架材は240×1250ミリ、柱材は450×450ミリ、ともに長さ12メートルまで対応可能。CAD/CAMでの簡易な作業性、操作性があり、「日本のプレカット工場が容易に使える」をコンセプトとしている。
 また自動積み込み装置付き合板加工機「MPD‐14」は野地・床合板の専用加工機に、加工材の自動積み込み装置を装備し、事前に作成された荷姿どおりに積み込みが行える。
 ほか断熱材対応合板加工機「MPD‐15」、全自動ほぞ取り加工機「MHG‐M4(小梁対応仕様)」など、省人・省力化につながるシステムを展示した。
 さらに営業や購買、生産など全業務でリアルタイムに情報を共有できるプレカット生産支援システム「BRAIN8」、最新CADシステム「MP‐CAD8」などのデモンストレーションが行われ、関心を集めていた。
 なお今年は感染症対策で密集を避けるため従来の2日開催を4日開催とし、セミナーや懇親会は中止した。
 

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◆  10月22日付 

 素材市、手当て良好、スギに人気〜ウッドピア市売「木材まつり」、製品は売りづらさ残る

1022  ウッドピア市売協同組合(三重県松阪市木の郷町、中川浩之理事長)は14日、「木材まつり」を開いた。素材の販売材積は3949立方メートル、売り上げは8108万円、製品は993立方メートル、1億2164万円で売上額は計2億272万円だった。平均単価は素材が2万500円、製品は12万2000円。
 素材市は原木の品薄で製材業者の在庫が少なくなっていること、出品材に良材が多かったことなどから買方の手当て意欲はおう盛だった。セリは元落ちも少なく進行し、良好な売れ行きをみせた。
 特にスギは好調で、4メートル中目の良材は足早に売れ、最近は各地の市場で売りづらいとされている大径材も今回はよく売れた。
 ヒノキはスギに比べて若干売りづらかったが、元落ちの少ない堅調なセリを展開した。
 相場はヒノキが強保合、スギが強含み。主な出来値はヒノキが4メートル×52センチの立方メートル当たり30万円を筆頭に選木が10万円前後、4メートル中目良材が4〜6万円、径級18〜20センチが1万8000円。
 スギは4メートル×66センチの14万円をはじめ、選木クラスで10万円前後、30センチ級で4〜6万円、中目良材が2万5000円、中玉の一般材で1万2000〜15000円と全般に好値で推移した。
 製品市は遠方の買方が来場せず、立ち会い者が少なかった。入荷量も少なく、役物造作材の品ぞろえがいまひとつだったため売りづらさが残った。
 

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◆  10月19日付 

 多数来場でにぎわう〜平野木材「満44周年記念市」、単価強含み

1019  平野木材梶i岐阜県各務原市、平野健一社長)は13日、広葉樹市「満44周年記念市」を開催した。午前8時から丁物・半製品のセリを行った。
 同社は1976年に岐阜市内から現在の岐阜木材団地(各務原市)へ移転。元々、ケヤキ専門だったが、現在は多種多様な樹種を扱う業態に転換している。
 コロナ禍の周年市となったが、買方が多数来場してにぎわった。手当て意欲もおう盛で売行きは良好。ケヤキに若干の売りづらさもみえたが、元落にならず手堅く売れた。ブラックウォールナットなど人気樹種は売りやすく、高値でセリ落とされた。
 単価は強含み。主な出来値は、ケヤキが杢の3メートル×85×7・5センチの50万円を筆頭に良材が35〜45万円、幅85〜100センチ・厚さ7センチ前後の厚盤が10〜13万円、外の土場の一般材は5〜7万円だった。ブラックウォールナット盤は3・6メートル×108×7・5センチが30万円を筆頭に、同程度のサイズが13〜18万円、タモの杢2・9メートル×30×21センチが30万円、ウエンジ盤の長尺7メートル×117×10・5センチが60万円など全般に好値だった。
 次回市は11月12日に開く。午前8時開市。
 

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◆  10月15日付 

 模様眺め続くも商況堅調〜ナイス小牧「50周年記念市」、単価は保合

1015  ナイス小牧市場(愛知県小牧市下末、細井浩明市場長)は8日、「開設満50周年記念市」を開いた。同市場は今年、年間計画で市日の回数を大幅に減らした上、コロナ禍の影響により4月の記念市も中止している。今回が初市以来、今年2度目の市開催となった。
 売り立て前に細井市場長が業界の現状について、外材の入荷が不安定で国産材も原木の品薄により不透明な状態と説明。「今のうちにたくさんのお買い上げを」と呼び掛けた。
 セリは午後1時にスタート。一番手のナイス浜では若手社員が経験を積むためセリ子となり、東濃ヒノキ造作材やスギ板類などを売り立てた。
 需要は低調で買方の姿勢は基本的に模様眺めだったが、久しぶりの市であり、50周年ということで若干の祝儀買いもあって、最初は手が挙がらなくてもセリ子が粘ると売れるという展開になった。単価は保合だが、商況は堅調だった。
 

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◆  10月12日付 

 丸太品薄で売りやすさ〜東濃ヒノキ白川「優良材市」、マキに立方メートル当たり27万円

1012  東濃ヒノキ白川市場協同組合(岐阜県白川町三川、加藤一昭代表理事)は7日、「優良材特別市」を地元材「ぎふ証明材」を主体とする1232立方メートルの出品量で開いた。
 入札前に加藤代表理事があいさつし「白川町庁舎を建て替える計画があるが、地元の木材を使用すると聞いている。市民が利用する公共施設を木造化することで、需要喚起につなげたい」と述べた。
 山からの出材状況は相変わらず厳しいが、今回市は年間有数イベントのため数カ月前から準備を進めており、出品量は少なめだったが、良質な丸太が集まった。
 秋に入ってからの丸太の品薄で製材業者の手当て意欲は上向いており、売りやすい展開だった。入札はスムーズに進行し、ほぼ完売した。
 相場は強含み。主な出来値はヒノキ3メートル×22〜26センチ中玉が立方メートル当たり1万6000〜1万8000円、元玉の3〜4メートル中目が1万8000〜2万2000円、大径材が11万5000〜13万円。
 スギは好値で、中玉5メートル×24〜28センチが1万2000〜1万5000円、元玉4メートル中目1万3000〜1万7000円、大径材は6万2000円を筆頭に1万5000〜2万円。
 今回の最高値はマキ6メートル×38センチ=写真=の27万円だった。
 

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◆  10月8日付 

 「GoToビルド」実施を提案〜ツーバイ建築協・関西支部、津田会長が提案

1008  一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会・関西支部(津田潮支部長)は1日、幹事会を大阪市中央区の御堂会館で開催。役員ら16人が出席した=写真。
 冒頭、津田支部長は新型コロナウイルスの感染者が関係業界から発生していないことは幸いとして「感染症により住み替えが増え、部屋数が足らないと言われている一方、2×4の住宅着工は1〜8月期で前年同月比15%減と落ち込んでいる。『GoToキャンペーン』は数兆円の税金をかけて実施されているが、これらの消費は一瞬で終わる。ただ住宅はずっと残る。建築は裾野が広い産業で、家具、照明、室内装飾、自動車など、旅行や飲食と比べて10倍、20倍の消費拡大につながる」と述べた。
 その上で「『GoToトラベル』では35%の割引があり、より高いコースから予約されるという。そこで住宅でも同等の補助金で、より高級な住宅を建ててもらいたい。関係行政機関に訴え、『GoToビルドキャンペーン』を進めたい」と提案した。
 この後、会員活動、技術、需要開発委員会の報告、全体の事業の進捗などが報告・協議された。
 

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◆  10月5日付 

 49年の歴史に幕閉じる〜大阪木材会館、清算業務終了、総会で承認

1005  椛蜊纐リ材会館(横尾泰治代表清算人)は9月28日、株主総会を大阪市住之江区の大阪木材会館で開いた。
 同社は2017年3月に大阪市西区の旧木材会館ビルを売却。今年3月10日の株主総会で解散が決議された。このほど清算業務が終了し、この報告などを目的に今回の総会が開かれた。
 冒頭、今年6月に逝去した橋本博明前社長へ黙祷を捧げた。
 横尾代表清算人が議長となり審議が進められ、清算による残余財産1億282万5000円、発行済株式総数13万7100株、株当たり750円で分配手続きを行うことが報告された。株主からは清算プロセスや清算後の業務を委託する大阪府木材連合会の管理方法などについて質問が出された。
 これら議案は賛成多数で承認可決され、清算が完了。1971年11月の創設以来、49年の歴史に幕を閉じた。
 

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◆  10月1日付 

 予約埋まる関心の高さ〜全森連「森林の仕事ガイダンス」、名古屋で開催

1001  全国森林組合連合会(全森連、村松二郎代表理事会長)は9月27日、「森林の仕事ガイダンス名古屋」を名古屋市中村区のJPタワー名古屋ホール&カンファレンスで開いた。
 林業の担い手確保・育成を目的に森林・林業に関する説明・相談会として、来年1月までに全国で5回実施される。
 今年度の初回となる名古屋会場では1・2部に分けて参加者を各100人、計200人を事前予約で募集をしたところ、定員を上回る応募があり、林業への関心が高まっていることをうかがわせた。
 会場では林業の全体像や雇用・給与体系などを説明する総合相談ブース、求職活動の具体的なアドバイスを行う厚生労働省の相談ブース、愛知、岐阜、三重、静岡など、中部地区を中心に全国17道県の相談ブースなどが設置され、参加者の就業・移住などに関する質問に回答した。コロナ禍のためオンラインでオリエンテーションやトークショーを配信するハイブリッドスタイルが採用された。
 参加者は20〜30歳代が多く、男女そろって来場し、説明を聞く姿もみられた。
 林野庁によると、2003年度にスタートした「緑の雇用」事業では、この17年で約2万人の就業者があり、同事業の研修終了者のうち、3年を超えて林業に従事する人の割合が7割になるなど、定着率も高まっている。
 

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◆  9月28日付 

 10月以降の仕事みえ始める〜愛知木造住宅プレカット協が全体会議で意見交換

0928  愛知木造住宅プレカット協議会(近藤智昭会長)は23日午後1時30分から、全体会議を名古屋市中区のハピカル大井5階会議室で開催。会員ら13人が出席した。
 冒頭、同協議会設立から20年余りにわたって事務局を担い、今年3月に退任した小森宏良氏へ、近藤会長から記念品が贈呈された。
 各社の近況報告の後、意見交換が行われた。工場の稼働状況はコロナ禍による景気変動により、前年比で5〜15%縮小している企業が多かった。一方で前年と同程度とする企業もあるなど、バラつきがみられた。ただ住宅メーカーや大手ビルダーの受注は4〜8月にかけて落ち込みが大きく、工務店の受注減もあって全般に感染症の影響は大きいとの意見で一致した。
 また「春以降の落ち込みはコロナ禍もあるが、消費税増税の影響が大きい」とする意見や、「徐々にビルダーの仕事が回復し、10月以降の仕事がみえてきた」という明るい見通しも示された。9月の加工実績は前年同月比で減少となるものの、全体では堅実に推移している。
 仕事内容をみると特に非住宅物件の増加が目立っているが、「見積もりは確実に増えているが、相見積もりが多く、経費負担が重い割に決定率が低い」、「大きい物件に単独で対応することが難しい」など非住宅物件へ対応するための課題が出された。
 このほか従業員の採用状況、「働き方改革」の現状、これから増えると予想される受注競争への対応などについて意見を交わした。
 

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◆  9月24日付 

 製品・原木とも品薄高〜平野木材「広葉樹市」、手当て良好で活気

0924  平野木材梶i岐阜県各務原市、平野健一社長)は16日、「広葉樹市」を開催。午前8時から丁物・製品・半製品などのセリ売りを行った。夏場は広葉樹のオフシーズンのため8月は休市し、2カ月ぶりの市。猛暑の影響で出品量は少なめだったが、多数の買方が来場して活気のある市となった。買方の手当て意欲は良好で、高額材は出なかったものの、全般に売りやすく、小強い値で買われた。
 主な出来値は、外の土場がアサメラ盤8・4メートル×66×8センチ20〜23万円、サペリ盤2・4メートル×80×7センチ5〜7万円、モンキーポッド盤3メートル×90×8センチ4万5000〜6万円、ブラックウォールナット盤3メートル×80×7センチ6万円前後、ケヤキ盤2・4メートル×80×7センチが4〜5万円。
 倉庫内の材はブラックウォールナット盤3・1メートル×100×7・5センチ15〜20万円、ケヤキ盤2・2メートル×80×7センチ8〜10万円だった。
 原木はセリでなく随時販売だが、広葉樹原木が全国的に品薄傾向のため引き合いが多く、ケヤキ丸太が立方メートル当たり10万円前後でほぼ完売した。同社の原木は多くが自社材で利益率が高く、製品の出品量が少なかった分の売り上げを補てんできたとしている。
 次回市は10月13日の「満44周年記念市」。
 

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◆  9月21日付 

 広葉樹挽板に手当て〜岐阜銘協「秋季特別市」、丸太はトチが人気高に

0921  岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は14〜15日、「秋季特別市」を開催。全国から200人が参加した。
 7月の長雨の後に8月は猛暑という天候不順に加え、コロナ禍で需要が低迷するなど、市況環境は振るわない。そのため出品量も製品2376口、原木535口と特に製品が少なく、前年実績を400口も下回った。
 市では参加者が少ない中、特に製品市で高額材が敬遠されたものの、手当てしやすい材は積極的に買われた。また原木市でトチ人気が押し上げたことから売り上げは製品5300万円、原木2864万円、計8164万円といずれも前年実績を上回った。7月市以降は、3カ月連続の増加となった。振るわなかった前年の市況とは単純に比較できないが、長期間の慎重な手当てで流通在庫が減少し、買方の仕入れ意欲が少しずつ高まっているようだ。
 製品市の人気の中心は各種広葉樹の挽板だったが、2メートルウォールナット20万円、トチ15万円、ブビンガ25万円など20万円前後が売れ筋で、高値材は元落ちとなるケースが多かった。全般に買いやすいウォールナットなどの人気が高く、売れ足の早い材が好まれた。
 原木市は出品量が少なく、立ち合い者も少なかった。ケヤキが依然低調な一方、トチは人気高となり、立方メートル代で70万円(2・2メートル×96センチ)のほか、同40万円から60万円と高値での引き合いが相次いだ。大径材は本代380万円(4・4メートル×130センチ、7・436立方メートル、写真)、同120万円(2・6メートル×146センチ、5・542立方メートル)など高値となり、売上高を押し上げた。
 次回は年間三大市の一つ「全国優良銘木展示即売会」を10月14日〜15日に開く。九州森林管理局・屋久島森林管理署から屋久スギ(古スギ)が9口9立方メートル、中部森林管理局からは天然ヒノキ、木曽ヒノキ、広葉樹などが出品される予定。
 

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◆  9月17日付 

 堺新工場に設備を集約〜紅中グループのアラセ、合板二次加工で付加価値向上

0917 0917_1  轄g中(大阪市浪速区、中村晃輔社長)のグループ会社潟Aラセ(大阪府松原市、同社長)はこのほど、松原工場の加工設備などを堺工場(堺市美原区木材通)に集約し、新たに機械設備を導入して生産性を向上させ、16日に稼働を開始。
 同社はさまざまな合板二次加工、サイン事業などを展開。建材商社の紅中グループの中で「アラセユニット」として建材加工部門を担い、合板・建材商品の付加価値向上に努めている。
 新規に稼働した堺工場は、昨年4月に取得した、大阪木材工業団地内の従来工場に隣接する工場(990平方メートル)を、従来工場(2145平方メートル)と併合し、新工場(3135平方メートル)として拡大整備した。現場作業員、営業、事務職など約30人が勤務する。
 新工場には松原工場から移動した3機を含めギャングリッパー、トリミングソー、コールドプレス、サンダー、床材長尺縦継ぎ機など切断、切削、研磨、ジョイントほか、合板の付加価値の向上を図る二次加工設備をそろえている。
 新工場の稼働により生産・加工能力は大幅な向上が見込める。ただ中村社長は「売り上げ拡大も重要だが、コロナ禍で明るいニュースが少ない中、会社一丸となった前向きな姿勢がとても大切。新たな形で付加価値の向上へ努力し、期待どおりにならない場合は何が原因か探るなど、試行錯誤しながら、とにかく実行して前に進みたい」と抱負を述べた。
 

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◆  9月14日付 

 先行き不透明も堅調推移〜愛知木造住宅プレカット協、8月6.2万坪、7%減

 愛知木造住宅プレカット協議会(近藤智昭会長)がまとめた8月の在来木造住宅プレカット加工実績(15工場)は6万1766坪(1716棟)で、前年同月比6・7%減、前月比8・2%減だった。前年同月比では7カ月連続の減少。
 例年、8月は盆休みを挟んで工場の稼働日数が減少するため、加工実績は減少するが、新型コロナウイルス感染拡大などによる受注減の影響もあって、前月時点の予測値より1600坪ほど少なくなった。ただ前年同月比での減少幅は、7月実績の15%減より縮小している。
 9月の加工予定量は会員の多くが「みえにくい」としながらも、住宅ビルダーが少しずつ受注を増やしていることもあって6万8449坪(1838棟)と、前年同月実績比で5%程度の減少とされた。
 10月予定は「やや増加」4工場、「やや減少」2工場。その他9工場は「横ばい」と回答した。

(続きは林経新聞紙面でご覧下さい。) ue ページトップヘ

◆  9月10日付 

 3階建て住宅が大幅増〜木住協19年度自主統計調査、会員着工数は3%減

 一般社団法人日本木造住宅産業協会(木住協、市川晃会長)はこのほど、報道関係者向けの報告会を開催。「2019年度木住協自主統計および着工統計の分析」の内容を中心に、各事業部が取り組む活動について担当者が報告した。
 自主統計調査は31回目。今回は対象会員470社のうち358社から回答を得た。
 19年度の木住協会員企業の住宅着工戸数は8万6031戸(前年度比3%減)だった。うち木造の戸建て住宅は8万1216戸(2・9%減)、共同住宅が4815戸(4・1%減)で、全国の木造戸建て住宅の着工戸数に占める木住協会員の着工戸数のシェアは17・7%(0・1ポイント低下)だった。
 木住協会員による木造3階建て戸建て住宅の着工戸数は7256戸(27・3%増)で過去最多を記録。会員のシェアは24・7%(4・3ポイント上昇)と、ほぼ4分の1を占めた。
 2016年省エネルギー基準適合住宅の着工戸数は6万7109戸(0・4%減)。戸数は減少したが、木住協会員の戸建て着工戸数に占める割合は82・6%(2・1ポイント上昇)に上昇しており、基準適合への意識の高まりがみられた。

(続きは林経新聞紙面でご覧下さい。) ue ページトップヘ

◆  9月7日付 

 減収減益、市場運営を模索〜東海木材相互の決算報告、木材の売上げ7.5%減

 鞄穴C木材相互市場(名古屋市熱田区、鈴木和雄社長)はこのほど本社で記者会見を開き、第65期(2019年4月〜20年3月)の決算報告と今後の方針などを説明した。
 第65期の売上高は116億1100万円と前期比1・5%減、うち木材の売り上げは7・5%減、純利益は30%減の1億5385万1000円と、減収減益だった。減益の幅が大きいのは、前期に特別利益の計上があったためとしている。
 木材の売り上げが7・5%減少したが、名古屋城天守の復元工事の納材があり、全体では1・5%の微減にとどまった(名古屋城天守関連は通常の市場業務と別枠で、木材の売り上げに含まない)。
 木材の売り上げの構成比は素材26%、製品56%、外材14%、建材など4%。
 今後の事業については消費税増税の影響や新型コロナウイルスの感染拡大による雇用不安、景気後退、消費マインドの低下により予断を許さない環境になるとみており、名古屋木材組合(西垣洋一組合長)が設立した「環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会」との連携を強め、木材需要の拡大に努めるとした。
 鈴木社長は木材の需要拡大について「名古屋市内では学童保育施設を木造化する活動が行われている。当社も子どもたちが接する施設の木造化に寄与していきたい」と述べた。
 また、感染症の収束がみえない中、今年6月にスタートした「FAX入札」をはじめ、インターネットの活用を広げるなど、「ウィズコロナ」の中での市場運営を模索していくとした。
 

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◆  9月3日付 

 ヒノキ原木が品薄高に〜東海相互・大口市場の8月特市、売上げ前年を2%上回る

0903  東海木材相互・大口市場(愛知県大口町河北、小森淳史市場長)は8月28日、素材特別市と製品・東海板祭りを開いた。出品量は素材1300立方メートル、製品5200立方メートル。売り上げは素材4600万円、製品8500万円、総額1億3100万円と前年を2%上回った。
 平均単価は素材が立方メートル当たり3万8600円、製品が8万7500円、買い上げ者は202社だった。
 素材の出材状況は7月に比べ改善したが、まだ出材量は少なく、需要も低迷したまま。それでも秋を控えて一定量の手当てがあったことから、品薄高の展開となった。
 並材の相場は強含み。主な出来値は、ヒノキが中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万6000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万6000円で1000円高、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万7000円で2000円高。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万3000円、4メートル×30センチ上が1万3000円で横ばいだった。
 製品市は板祭りと題して板類、盤類を中心に売り立てた。製品需要は低迷しているが、銘木、テーブル用材など値打ち材が人気で全般に売りやすい展開。製品の売り上げは前年を6%上回った。
 18日に「JAS&東濃展」を開く。
 

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◆  8月24日付 

 2×4住宅、累計300万戸に到達〜ツーバイフォー建築協まとめ、オープン化から46年

 一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会(池田明会長=三井ホーム且ミ長)は19日、今年3月末に2×4住宅の着工戸数が累計300万戸に達したと公表した。同協会では今後、累計着工300万戸のポスターの制作などにより、工法や性能のさらなる周知を図り、採用増に向けて取り組んでいくとしている。
 2×4工法は1974年、誰でも使用できる建築工法としてオープン化された。官民共同の技術開発やPRにより、工法や性能などの認知度が徐々に向上し、各種法改正や耐火構造の大臣認定の取得などから、1987年に3階建て、2004年に4階建て、16年に5階建て以上が可能となるなど、階数や規模、用途を広げてきた。
 19年の新設住宅着工戸数によると、着工戸数全体の約12%、木造住宅の約21%を2×4工法が占める。
 また、2×4住宅の累計着工戸数は2000年に100万戸、11年に200万戸、そして今回20年3月に300万戸へ到達。200万戸から300万戸達成までの期間は9年程度で、オープン化から100万戸達成(26年)までに要した期間の約3分の1だった。
 普及の要因としては先に記した技術の進展や法改正のほか、耐震・耐火・断熱など基本性能の高さ、設計自由度、他工法との比較によるコストメリット、木材を多く利用できる環境性の高さなどが挙げられる。近年はこうした特性を生かして、非住宅物件での採用も増加している。
 なお同協会は今月、2×4工法の構造用製材を使って製作する構造材「NLT(ネイル・ラミネイテッド・ティンバー)」による床板、屋根板で、準耐火構造の大臣認定などを取得した。「NLT」を構造材として現しで使用できるようになり、非住宅などの木造化進展への貢献も図っている。
 

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◆  8月20日付 

 県内製材工場10社が連携〜「あいち製材の集い」が設立集会開く

 愛知県産材の需要拡大に向け、県内の製材工場が連携する任意団体「<仮称> 愛知の森林 <もり> と生きていく、製材の集い(あいち製材の集い)」が設立され、8日に設立総会が新城市のまちなみ情報センター開かれた。昭典木材鰍フ峰野晋社長と西垣林業の叶シ垣貴文副社長が世話人となり、県内の製材工場10社が参加。三河材流通加工協同組合(ホルツ三河、山ア宏明理事長)が事務局を務める。
 「製材工場がめざす姿は、生産される木材を安定して受け入れ、付加価値を高めること」であり、そのためには「県産材の需要拡大、その需要に応じられる体制づくりが不可欠で、製材機能の多様化、行政や関連機関とのつながりの構築などが必要」との考えから製材工場間での連携を図るとして、同団体の設立に至った。
 具体的な活動では、行政などへの要望のほか、「愛知県産材を使いたいと思ってもどこに相談すればよいか分からない」という現状を受けて、これまで木材業界に縁のなかった人でも同団体の参加者や事務局に相談することで、ニーズに合った製材品が入手できる体制を構築したいとしている。
 設立総会では運営方法などが議論され、第2部では愛知県農林基盤局林務課との意見交換も行われた。
 

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◆  8月13日付 

 売上げ6割増、復調の兆しも〜岐阜銘協「長良川納涼市」、出品減も手当て堅調

0813  岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は5日、「長良川納涼市」を開いた。猛暑の中、午前中に製品、午後には原木のセリが行われ、延べ100人の買方が参加した=写真は製品市の様子。  シーズンオフ、市況低迷が重なって出品口数は製品1387口、原木367口と、ともに前年実績から1割超の減少となった。セリも積極的な手当てはなく、選別買い。ただ適材には堅実な手当てがみられた結果、相場に変化はなかったものの売り上げは製品2400万円、原木800万円、計3200万円と低水準だった前年実績を6割上回り、7月市に続いて復調の兆しがみられた。  製品では2メートルトチ板20万円、6メートルタモ板24万円、2メートルクラロウォールナット板30万円など広葉樹の挽板が人気高となった。ケヤキでは建築需要に直結した業者の手当てがあったが、全般に構造材の引き合いは弱かった。  原木も出品減と材質難から手当てが敬遠され、ケヤキ(8メートル×126センチ)が本代360万円で売られたが、立方メートル当たりは13万円と伸び悩んだ。秋以降の出品増が期待される。  次回市は9月14〜15日の「秋季特別市」。
 

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◆  8月10日付 

 コロナに負けず需要拡大を〜愛知県木材利用推進協、大村知事に要望書

0810  愛知県木材利用推進協議会(愛知県木材組合連合会ほか木材関係9団体で組織、西垣洋一会長)は5日、西垣会長はじめ各団体の代表者6人が愛知県知事公館を訪れ、大村秀章知事に「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた県産木材利用施策」に関する要望を行った。
 要望の内容は、1.コロナ禍による木材の需要減に対する需要拡大支援策の実施 2.愛知県体育館など都市部での中大規模建築物の木造・木質化による県産木材利用の推進―の2点=写真は要望書を大村知事(向かって右から2番目)に手渡す西垣会長(中央)。
 西垣会長は大村知事に対し「コロナ禍で木材業界の経済活動が鈍化しており、厳しい状況だ。今後、アジア大会の開催や県体育館の建設などに向けて木材利用を推進してほしい」と要請した。
 大村知事は「先ほどの記者会見で県独自の『緊急事態宣言』を6日に発すると報告した。コロナ禍が経済活動に及ぼす影響は大きいが、県では昨年『全国植樹祭』を開催し、天皇陛下から木材利用についてのお言葉をいただき、力を得た。今後も感染症に影響されないよう、木材利用の推進を続けたい」と前向きな言葉を述べた。
 懇談の場では、西垣会長が今年2月に設立された「環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会」について説明。「愛知県がSDGsへの取り組みを主導的に実行したい」などと述べた。
 この後、愛知県森林組合連合会(村松幹彦会長)など県内の林業関係4団体が「林業労働力の確保・育成に関する要望書」を知事に手渡し、1.森林環境譲与税を活用した林業労働力確保・育成 2.林業従事者育成のため、ICTを活用した技術の習得研修や最新機器を使った実技・実習などの研修体制の充実 3.森林組合など林業事業体の体制強化のため、役職員向けの研修充実 4.林業労働災害ゼロに向け、最新技術の装備導入など災害対策への支援―などを要請した。
 

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◆  8月6日付 

 採用3棟目・囲柱ラーメン木構造〜ライン工業、中津川で躯体工事を公開

0806  泣宴Cン工業(岐阜県可児市大森、瀧本実社長)は1日、同社が開発した「囲柱(いちゅう)ラーメン木構造」を採用した建物の躯体工事を公開した。
 岐阜県中津川市の農事組合法人はちたか(西尾康博代表理事)の新事務所の建設工事で木造平屋建て、建築面積99・2平方メートル、使用する木材はすべて岐阜県産のJAS認定材で、ほぼ東濃ヒノキ。
 同工法では4本の柱角を十字型の緊結金物とボルトで固定し、1本の柱にまとめたものを、集成材の梁と接合する。柱断面の形状が「囲」の字に似ていることが名前の由来で、鉄骨造の考え方を木造に応用した。採用は今回が3棟目。
 ライン工業は採用1棟目の自社事務所を、2019年1月の完成から9月までモデル棟として公開し、見学やスペースの利用を受け入れた。今回の施主である農事組合法人はちたかは、その際の見学者で「山林地区として地域に見合った建物にしたい。東濃ヒノキのアピールにもなれば」と考え、採用した。
 当日は午前9時すぎに1本目の「囲柱」を建て始め=写真、午前中に6本の囲柱を建て引き続き横架材、水平構面を施工。躯体工事を1日で終えた。
 来年にも2棟ほど同工法での着工が予定され、引き合いも数件あるという。いずれも店舗や事務所など小規模の非住宅物件。元々、木造ビルを想定して生まれた工法で、地域の企業が建設しやすい、小規模な非住宅にも注力したいとしている。
 

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◆  8月3日付 

 ドローン操縦の研修会開く〜岐阜森林文化アカデミー、林業成長産業化に貢献

0803  岐阜県立森林文化アカデミー(岐阜県美濃市曽代、涌井史郎学長)の森林技術開発・支援センター・スマート林業推進係は7月29日と31日、林業事業体の従業員向けのドローン操縦研修会を開いた。
 林業における情報通信技術(ICT)の活用事例として、ドローンによる森林の空撮、計測の導入が進められているが、ドローン操縦者の養成を行う必要があるとして企画された研修会で、森林組合や森林公社、民間の林業事業体などから、各日10人が参加した。
 会場はドローンパイロット養成スクールの運営やドローン空撮業務などを請け負う鰍qOBOZ(ロボッツ、岐阜県郡上市、石田宏樹社長)で、石田社長が講師となり、座学による安全運用の知識と実技を学んだ。
 実技では小さなドローンから始め、次に実務で使用できる機種を操縦。基礎的な操作から森林上空の飛行訓練までを行った。
 これまでは地上で立木がある位置まで赴いて計測などを行わなければならなかったが、ドローンを使用することで離れた安全な場所から計測などの作業が可能となり、大幅な業務改善が図れる。林業の成長産業化を推進するためにも普及が期待されている。
 

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◆  7月30日付 

 森林教育の拠点「モリノス」が開所〜岐阜森林アカデミー内、森林文化継承へ

0730  岐阜県はこのほど、森林教育の拠点「森林総合教育センター(愛称=morinos、モリノス)」を岐阜県立森林文化アカデミー(岐阜県美濃市曽代、涌井史郎学長)内に完成させ、22日に開所式を行った。「すべての人と森をつなぎ、森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次世代へ伝える」をコンセプトに、全世代を対象として森に親しんでもらうための拠点として設けた。ドイツ・バーデンヴュルテンベルグ州のハウス・デス・ヴァルデス(森の家)をモデルとしている。
 建築家の隈研吾氏監修の下、同アカデミーの学生らが設計。100年生ヒノキ丸太を「W」の形に組んだ建物外部の柱が特徴で、内部は柱のない大空間を実現している。耐震性も高く、災害時には避難所としての使用が想定されている。
 使用した木材はすべて岐阜県産材で「W」の柱は同アカデミーの演習林から学生と教員が伐採・搬出した。その際、学生らは水を吸い上げている根を切り、立木のまま含水率を下げる新技術「心材含水率減少法」や古式伐採法の「三ツ紐伐り」など各種の新技法や伝統的技法を学んだ。
 教育・体験プログラムは1年前から小・中学生を対象とした森林体験や森のようちえん、保育士・教員のための野外講座、星空の下でのピアノ演奏会など40以上のプログラムを試行し、開所後すぐに運営できるようスキルを高めてきた。
 休館日は火・水曜と年末年始。開館時間は午前10時から午後4時。体験プログラムやイベントにより事前予約や費用が必要な場合もあるが、原則無料で来館予約も不要。
 専用サイトへ。
 

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◆  7月23日付 

 出材減で丸太品薄、強含みに〜鈴鹿木材「中元謝恩市」買気上昇、並材も値戻し

0723  鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市徳居町、森啓介社長)は16日、「中元謝恩市」を、ヒノキ・スギを主体とする出品で開催。1483立方メートルが買われ、売り上げは2394万円だった。
 需要減、単価低迷で山が伐採を制限しているところに今月の豪雨災害が加わり、素材の出材が非常に少なくなっている。昨年の同時期も出品量は少なかったが、今年はより少なく品薄となっている。
 買方は需要低迷から最近まで手当て意欲は高くなかったが、極端な丸太の品薄を受けて買気が強まり、いわゆる品薄高の状態に。ヒノキは買気が強く並材、良材とも強含みとなった。
 相場はヒノキ並材がやや価格を戻し、良材も高値で推移。スギ並材は若干売りづらさが残ったものの価格が上がり、良材も好値で落札された。
 主な出来値は、ヒノキは尺上の元玉良材が3〜4万円、一般材は4メートル中目が2万円前後、3メートル柱取りが1万7000円前後。スギは大径材の選木が3万5000円、4メートル×22〜24センチ1万〜1万2000円、4メートル中目1万1000〜1万2000円、一般材の尺上は1万1000〜1万4000円。
 

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◆  7月20日付 

 セリにやや活気戻る〜東海相互・西部市場「東濃展」手当て姿勢は依然慎重

0720  東海木材相互・西部市場(愛知県飛島村木場、鈴木善一朗市場長)は14日、「第56回東濃桧展示即売会」を製品6090立方メートル(外材除く)の出品量で開いた。183社の実買い上げにより国産材が1120立方メートル、外材が430立方メートル買われ、売り上げは前年を44%下回る1億300万円、平均単価は国産材が立方メートル当たり6万1000円、外材は6万4000円、来場者は62社だった。
 東濃展の出品量は6社から162立方メートル。5月の実施を予定していたが、コロナ禍で延期になっていた。
 開市前に東濃桧品質管理センターの藤井実理事長が「7月豪雨による災害で山が荒れている。山のために適正価格でお買い上げを」と呼び掛けた。
 前年同月は年間有数のイベント「中元サマーセール」が開かれたこともあり、売り上げは前年を大幅に下回った。ただ前月比では来場者が増え、セリにもやや活気が出てきた。景気が悪化しているため手当て意欲は依然慎重だが、値打ち材は売りやすく、良材に手が上がる場面もあった。
 同社は今月から昼食の提供を再開。感染対策とサービスの両立を模索している。
 次回特市は8月4日の「納涼市」。
 

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◆  7月13日付 

 「秋の仕事減は不可避」〜愛知木造住宅プレカット協の6月実績は9%減

 愛知木造住宅プレカット協議会(真野穣司会長)がまとめた6月の在来木造住宅プレカット加工実績(15工場)は6万7198坪(1899棟)で、前年同月比9・3%減、前月比8・7%増だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が心配されたが、前月時の予定数量をやや下回ったものの、仕事が確保されていたため稼働は堅調だった。ただ「7月以降の仕事がみえにくい。特に秋は仕事の減少が不可避」との声も多く聞かれた。
 例年6〜7月は加工量が増え、昨年も月別実績は7月の7万8985坪が最も多くなった。さらに夏休みを挟んで、10〜11月に再びピークを迎えることが多いが、今年はコロナ禍の影響により、この傾向が大きく変化しそうだ。
 7月の加工予定は6万8203坪(1899棟)、来月(8月)予測は「増加」、「やや増加」がゼロ、「やや減少」が3工場、そのほかは「横ばい」と回答した。
 

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◆  7月9日付 

 今年度の原木生産量を抑制〜愛知県森連の通常総会、適材適所の販路拡大図る

 愛知県森林組合連合会(村松幹彦会長)は6月29日、第95回通常総会を名古屋市中区丸の内の林業会館で、出席者の人数を制限して開き、諸議案を原案どおり承認可決した。
 2019年度事業では、指導部門では「系統のスケールメリットを生かした国産材安定供給体制の構築」を目的に、森林組合の素材生産量の増加、出荷量の着実な計画達成に向けた指導を行った。  販売部門では原木の取扱量が年5万6479立方メートルとなり、目標を達成。金額は6億8862万円だった。
 森林整備部門では、あいち森と緑づくり事業にかかわる間伐事業の受注に努め、治山の契約金額は計画を5%上回った。
 20年度事業計画では新型コロナウイルス感染拡大の影響による景気の落ち込みで合板工場などが原木の受け入れを停止していることから、原木の生産目標を5万1110立方メートルと、前年度より抑えるとしている。
 指導部門では組織強化、コンプライアンスの整備に取り組み、森林組合の社会的信頼性を高める。販売部門ではホルツ三河と豊田原木流通センターを流通拠点として、豊田市の大型製材工場や県内外の工場へ直送してコストダウンに努めるほか、優良材から低質材まで材質に合った需要先の拡大をめざす。
 

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◆  7月6日付 

 助成事業の説明会に130人参加〜全木連主催・名古屋、JAS構造材利用拡大など

0706  一般社団法人全国木材組合連合会(全木連、鈴木和雄会長)は6月から、「JAS構造材利用拡大事業」と「過剰木材在庫利用緊急対策事業」の説明会を全国9会場で実施している。うち名古屋市での説明会が6月30日、市内のホテル名古屋ガーデンパレスで設計事務所、施工業者、木材関連業者など約130人が出席して開かれた。
 主催者は「コロナ禍で林業、木材業界の持続的な経営が懸念されている。今回説明する2事業はともに林野庁から全木連が委託して実施する。6月中旬以降、特に申し込みが増えている」とあいさつし、続いて2時間以上にわたって両事業の詳細な解説を行った。
 「JAS構造材利用拡大事業」は、今年度が3年目になる「JAS構造材活用宣言」事業で認証を受けた施工者に対し、構造材の費用の一部を助成することで利用促進を狙う。
 対象となるのは@機械等級区分構造用製材A2×4製材B直交集成板C中断面以上の構造用集成材D構造用LVL―のJAS構造材5種とその他の林産物のJAS製品。これらを床面積が10平方メートルを超える建築物(戸建て住宅の場合は4階建て以上などの要件がある)で使用する場合に調達費用の一部(件当たり最大で3000万円)が助成される。
 同事業サイトへ。
 「過剰木材在庫利用緊急対策事業」では、輸出丸太の停滞による丸太、製品在庫の急増や価格低下に対処するため、公共施設(構造材、内装材)や公共の場に設置される外構部などでの木材活用の促進を図る。「公共建築物木材利用促進法」に基づく公共施設などで、施工者が木材を活用する際の材料・工事費などについて、構造材の利用では床面積平方メートル当たり3万9000円などの助成が行われる。対象施設に住宅は含まれない。
 同事業サイトへ。
 両事業の申請の締め切りは10月30日。
 

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◆  7月2日付 

 久しぶりの市売も様子見〜西垣林業・名古屋市場の特別市、先行きへの不安高まる

0702  西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区、中村智幸市売部長)は6月24日、特別市を開いた。101社の買い上げにより売り上げは6900万円、平均単価は立方メートル当たり7万8000円、来場者は20人だった。
 4月から市売を休止していたため、約2カ月ぶりの開催となったが、遠方の買方に参加を控える空気があり、来場者は少なめ。市を休止していた間、付売などで販売は行っていたが、需要が減り倉庫内の在庫が増えている状態にある。
 最近の需要減は今のところ昨年10月の消費税増税の影響との見方が強いが、新型コロナウイルス感染拡大の影響がこれから出るといった不安感が高まっており、買方の姿勢は様子見でセリ売り、展示会ともんに売りづらさが目立った。
 こうした中で問屋は細かい注文に対応して売り上げを確保した。
 次回特市は7月15日に「土佐材展」を予定している。
 

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◆  6月29日付 

 「万博に木材」を働き掛ける〜大阪府木連の通常総会、津田会長らを再選

0629  一般社団法人大阪府木材連合会(津田潮会長)の第39回通常総会が17日午後3時30分から、大阪市西区立売堀の建設交流館で開催された。冒頭、大阪木材業界の功労者で、このほどの逝去した林業・木材製造業労働災害防止協会・関西支部長の宇田靖彦氏(昨年12月)、椛蜊纐リ材会館前社長の橋本博明氏(今年6月)に全員で黙祷を捧げた。続いて今春の褒章で黄綬褒章に輝いた橋田肇氏(潟^ンモト社長)の功績を称えた=写真向かって左が橋田氏、同右は津田会長。
 総会は津田会長を議長に選出して議事に入り、2019年度事業報告、収支決算、20年度事業計画、収支予算を原案どおり承認可決した。任期満了に伴う役員改選では津田会長を再選。副会長と理事が一部交代した。
 新年度の主な事業方針では持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて木材業界が取り組む都市の木造・木質化がより注目を浴びる時が来たとして「木材を生かした大阪・関西万博」をテーマにPRを行う。具体的には万博の政府館、各テーマ館、シンボルタワー塔の木造・木質化、木製の浮き基礎化の採用に向けて活動する。また間伐材の杭を活用した軟弱地盤の改良工事の実施、飫肥スギを活用した菱垣廻船の再航行をめざして関係者への積極的な働き掛けを行う。ほか森林環境譲与税の周知を図るさまざまな計画の推進、品質の確かな木材製品・認証木材の普及にも引き続き取り組んでいく。
 

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◆  6月25日付 

 丸太の良材は品薄高〜東海相互・大口「素材市」、「中央服部祭り」出品減、並材は売りづらさ

0625  東海木材相互・大口市場(愛知県大口町河北、小森淳史市場長)は19日、「素材特別市」と「中央・服部祭り」を開いた。出品量は素材1200立方メートル、製品5600立方メートル、売り上げは素材5300万円、製品7900万円、計1億3200万円と前年を27%下回った。平均単価は素材が立方メートル当たり5万2500円、製品が7万6800円、買い上げ者は205社。
 丸太は山からの出材が激減している。感染症拡大に伴う不況の影響から需要が減り、荷余りとなって単価が下落。梅雨入りも重なって多くの森林組合や林業事業体が伐採を休止しており、例年よりも出材が少なくなっている。このため出品量は前年の半分近くまで減少。並材は依然売りづらかったが、良材は売りやすく品薄高となり、単価が上昇した。
 並材の相場は保合。主な出来値はヒノキ中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万5000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万5000円、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万5000円で横ばい。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万3000円、4メートル×30センチ上1万3000円で横ばいだった。
 製品市は、来場者に買気があり、セリも活気があったが、全体的に商況は模様眺めで、構造材より盤や板類主体の手当てとなり、単価も弱含んだ。
 

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◆  6月22日付 

 7月1カ月にわたって「サマーホットセール」〜材惣木材、特別セール日設けずに

0622  材惣木材梶i名古屋市中区、鈴木龍一郎社長)の木材営業部・市売製品部各チームは7月1〜31日の1カ月にわたり、「第14回サマーホットセール」を開催する=写真は昨年の同セールの様子。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりカナダの産地では製材工場のシャットダウンや伐採停止など混乱した状況にあり、特に米ツガ・米マツクリア製品の入荷遅延が予想されている。また入荷したとしても感染症防止の観点から特設会場に参加者を招くセールは実施しにくいため、特別セール日は設けないことにした。
 WFP社を中心とする現地メーカーの協力により米ヒバ、米マツピーラー、米ツガ、米スギ、スプルース、バルサムなどのクリア類920立方メートル、ホワイトウッド、米マツKD、アカマツなどの並材750立方メートル、北洋タモ70立方メートルを含めた計1740立方メートルを集荷する。前年実績を2割程度下回る予定。
 市売製品チームからは国産材スギ、ヒノキ構造材、羽柄材、フローリングなどが例年どおり出品される。
 米材製品の内訳はクリア材が米ツガ100立方メートル、米ツガKD50立方メートル、米マツFG150立方メートル、米ヒバFG350立方メートル、同VG100立方メートル、米スギ50立方メートル、バルサム70立方メートル。並材はホワイトウッド500立方メートル、米マツKD150立方メートル、アカマツ100立方メートルなど。
 現地の状況により入荷遅れも想定されるため、情報を公表しながら明細により販売する場合もある。
 

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◆  6月18日付 

 素材の手当て意欲良好〜ウッドピア市売「青和会・松木会市」2カ月ぶりの市売開催

0618  ウッドピア市売協同組合(三重県松阪市木の郷町、中川浩之理事長)は10日、「素材特市と青和会・オール松木会製品特別市」を開いた。素材は3000立方メートル買われ、売り上げは4300万円。製品は1000立方メートル、1億2000万円で、売上総額は1億6300万円、平均単価は素材が1万4300円、製品が12万円だった。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、約2カ月ぶりの開催。素材市は買方の手当て意欲が良好で元落ちも少なく進行し、スギ、ヒノキとも4メートル中目のきれいな材に人気が集まった。一方で柱取りや土台取り並材、30万円以上の選木は売りづらかった。
 単価は抑え気味で並材は全般に安値だったが、4メートル中目の良材は国産材価格が低迷している状況下としては、好値を維持した。
 主な出来値はヒノキが良材で2〜3万円、並材は4メートル中目が1万8000円前後、3メートル材は1万6000円前後。スギは良材が2〜3万円、並材の中目が1万1000〜1万3000円だった。
 製品市=写真=は東京など遠方の買方が来場できず、地元の買方のみで立ち会い者数は少なめだった。高額な役物を買う業者も少なく売り上げ、平均単価とも伸びなかった。
 

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◆  6月15日付 

 役員のみの少人数で総会開催〜ツーバイ建築協・関西支部、講演会など後日に

0615  日本ツーバイフォー建築協会・関西支部(津田潮支部長)は5日、「第8回定時社員総会」をJR大阪駅前のヒルトンホテル4階「銀扇の間」で、役員6人らが出席して開いた=写真は出席者。
 冒頭、津田支部長は「コロナ禍のため今回の総会は役員のみの出席としたが、後日改めて記念講演会、懇親会を行いたい」とあいさつした。
 次いで津田支部長を議長に議事入りし、2019年度事業報告、同収支決算、20年度事業計画、同収支予算を承認可決した。
 任期満了に伴う役員改選では、全員を留任とした。役員は次のとおり。
 ▽支部長 津田潮(津田産業)▽副支部長 小山芳樹(平安建設)、古徳真人(三井ホーム)、松澤裕太(三菱地所ホーム、事務局長兼任)▽監事 小林琢(KN村田産業)、田中康裕(吉野石膏)=敬称略
 

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◆  6月11日付 

 単価安めも売行き良好〜東海林材の通常市、鳳来スギ目当てに多数来場

0611  鞄穴C林材市場(愛知県豊橋市野田町、小杉智一郎社長)は6日、通常市を同社の中間土場「ログステーション鳳来」(愛知県新城市富栄)で、地元三河産材を主体とする出品内容で開いた。通常市だが130年生の鳳来スギを出品するという話題性から、多数の買方が来場。今後は出材減期に入るため、今のうちに買っておこうという姿勢の買方が多く、セリは売りやすい展開だった。
 鳳来スギは色がいまひとつで高値とはならず、全般に単価は安めだったが、元落ちは少なく、売れ行き良好だった。
 主な出来値はヒノキが4メートル×52センチの立方メートル当たり13万円を筆頭に尺上が3万円、中目が2万2000円、並材が1万5000円前後。スギは4メートル×56センチの6万円が最高で、中目から尺上が1万2000円前後、並材が8000〜1万円だった。
 現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響による景気低迷から、丸太の受け入れをストップしている合板工場や大型製材工場が多い。この先、出材が減る時期を迎えるが、すでに伐採作業を休止している林業事業体も多く、同社では例年より出材量が減少すると予想し、7月の市は行わないとしている。
 

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◆  6月4日付 

 手当て慎重、在庫増加の傾向〜西垣・名古屋市場の特別市、商談会のみで開催

0604  西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区、中村智幸市売部長)は5月27日、特別市を開いた。
 新型コロナウイルス感染防止のためセリ売りは行わず、商談会による展示即売のみ。97社の買い上げにより、売り上げは前年を10%下回る9800万円、平均単価は立方メートル当たり8万5000円、来場者は17人だった。
 市での売り上げは10%減にとどまったが、4月の市売ほか問屋の展示会などもすべて中止となり、全体の実績は前年を大きく下回っているという。
 県をまたいでの移動自粛が続いて積極的に集客できないため来場者は少なかったが、久しぶりに顔を合わせた買方らは明るい表情をみせていた。
 ただ手当て意欲は冷静。経済状況の悪化を懸念し、慎重な姿勢をみせた。売れ行きの鈍化により需給バランスが崩れ、倉庫内の在庫が増加傾向となっている。ただ一定の注文はあるため、市場としては細かいニーズに対応し、受注を拾っていく方針だ。
 次回特別市は24日の予定だが、感染状況をみて開催するか判断する。なお予定されていた「紀州材展」は延期とし、開市しても今回と同様、商談会のみとする。
 

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◆  6月1日付 

 動き停滞、弱含み感高まる〜日米協・名古屋支部、問屋の仕入れも縮小

 日本米材協議会・名古屋支部(嶺木昌行支部長)は5月27日、例会を名古屋木材会館で開き、市況分析と相場評定を行った。出席者からは5月の荷動き停滞と市況弱含み感が高まっているとの報告が相次いだ。
 名古屋地区のプレカット工場の5月の稼働実績は前年を下回る見込みながら、堅調に推移している。ただ夏から秋にかけての需要減の見通しにより、先行きの受注は極めて不透明。こうした状況下、特に「緊急事態宣言」の継続が決まった5月連休明けは自宅勤務や営業活動を自粛する企業が目立ち、売り上げの減少につながった。
 国内の需要減に加えて産地の製品工場のストライキが終息し、日本へも入荷があったことで在庫は増加基調。各問屋では「今後の仕入れは慎重にならざるを得ない」と厳しい見方を示している。
 5月下旬には国内大手製材企業が米マツ製品の価格を立方メートル当たり2〜3000円下げると発表。市況は一層冷え込むとみられる。
 相場評定では米マツ根太、垂木など小割類が立方メートル当たり1000円下げ。SPFディメンション材は輸入コストの上昇があっても国内需要が盛り上がらず、1000円下げ。ホワイトウッド間柱は荷動き難により1000円下げ。このほかは横ばいとされたが、全体的に弱含み感が高まっている。

 同支部では協議前に通常総会を開き、昨年度決算、今年度予算案などを原案どおり承認可決した。
 また、12年にわたって支部長を務めた嶺木氏が退任し、新支部長に鈴木龍一郎氏(材惣木材梶jが就任した。

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◆  5月28日付 

 オンラインで総会開催〜大阪木材青年経営者協、国民に森林の恩恵与える役割を

 大阪木材青年経営者協議会(大青協、中村晃輔会長)の第63回定時総会が16日、会員28人(別に委任状22人)が参加し、オンラインで行われた。進行役は松波総務財務委員長が務め、来賓で日本木材青壮年団体連合会の多田啓会長が参加した。
 中村会長は「新型コロナウイルス感染拡大の影響から1カ月遅れでオンラインでの総会になったが、多くの会員に参加いただいた。感謝したい」と謝辞を述べた。
 その上で「この危機的状況を乗り越えて新たな活動の始まりとして、企業や家族が当たり前の生活を取り戻せるよう、全員で知恵を絞り前進を図りたい。われわれの業界では昨年度、森林環境譲与税がスタートしたが、ここ数年は自然災害が多発しており、森林の持つ適切な機能を一層高めることが重要になっている。また当会が国民に森林の恩恵を与える役割を果たす潤滑油となれるよう、活動の輪を広げていきたい」とあいさつした。
 総会では中村会長を議長に、前年度事業報告、収支決算、今年度事業計画、収支予算などの議案を原案どおり承認可決した。
 最後に多田会長が「森林が持つ機能、恩恵を引き出す植林の実施といった森林に関する教育の充実、新たな根拠を用いた木材の良さのPRなどに努めたい。台湾の木材関係の青壮年会との交流も深めていきたい」などと祝辞を寄せた。

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◆  5月25日付 

 受注残減り、手当ても慎重〜東海相互・西部市場の特市、単価上昇、売上げ若干減

0525  東海木材相互・西部市場(愛知県飛島村木場、鈴木善一朗市場長)は19日、特別市を製品6070立方メートル(外材除く)の出品量で開いた。187社の実買い上げにより国産材が1080立方メートル、外材が360立方メートル買われ、売り上げは前年比7%減の1億円、平均単価は国産材が立方メートル当たり6万7000円、外材が6万2000円、来場者は43社だった。
 本来は「東濃ヒノキ展」の開催を予定したが、感染拡大防止の観点から規模を縮小し、タイトルのない特市とした。県をまたいでの移動の自粛が要請されており、来場は地元の買方のみで、立ち会い者は前年比3割減少した。ここまでは受注残の仕事で荷が動いていたが、これらも一段落しそうな雰囲気が出てきたため、手当て姿勢は慎重だった。
 構造材より造作材や板類主体の手当てで、数量がまとまらない受注も多かったが、造作の良材など単価の高い商材が買われ、平均単価が上昇。販売材積は減少したが、売り上げは前年比で若干減にとどまった。

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◆  5月21日付 

 選別買いで売上げ減少〜岐阜銘協「若あゆ特市」、コロナ禍の影響出る

0521  岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は14〜15日、「若あゆ特別市」を開いた。岐阜県は14日に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除されたが、同市は参加者の検温実施、マスクの装着、「三密」を避けるセリなど、感染防止に十分な配慮をした上で開かれた。
 出品は製品2571口、原木596口と前年実績を100口ほど下回った。特に製品は新材のみをセリの対象とし、前月までの元落材は付売とした。
 参加者は近隣の業者が多く、遠方の来場者の出足が弱まり、延べ130人と前年の7割程度だった。コロナ感染拡大の影響で荷動きが鈍化していることもあり、売れ筋のトチ、ケヤキなどの耳付板でも値打ち材を選別して買う傾向が強く、また原木は太材が売れずに平均単価が下落した。
 この結果、売り上げは製品2730万円、原木800万円、計3530万円と前年実績を大きく下回った。
 次回は6月12〜13日に「第34回岐阜銘青展」が、普通市として開かれる予定。

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◆  5月18日付 

 受注残の仕事で稼働を維持〜東海2×4協、4月加工実績、6月以降に不安抱える

 2×4住宅コンポーネント会社などで構成する東海2×4協議会(鎌田茂徳会長=大日本木材防腐梶A正会員13社)がまとめた4月の加工実績は、パネル加工254棟(1万3139坪)、定尺出荷15棟(728坪)、計269棟(1万3867坪)で、前年同月実績を15棟下回った=下グラフ参照。今年1〜4月の累計はパネル加工1072棟(5万5938坪)、定尺55棟(2231坪)、計1127棟(5万8169坪)で前年同期比14棟減。
 4月の時点では各社とも受注残の仕事があり、加工実績は前月の予測どおり「やや減」となった。コロナ禍の影響は出ているが、企業によって状況はさまざまで、すでに受注減に苦しんでいる工場もあれば、繁忙状態のところもある。
 大手ハウスメーカーやアパート施工企業がコロナ対策で現場を閉所したが、諸事情から工事を続けた現場が多数あり、資材もそれなりに動いたため、コンポーネント企業の仕事量は若干減にとどまったとみられる。
 本格的に物件が減少するのは6月以降で、7月は見通しが立たないという企業が多い。工務店による注文住宅は見積もり依頼が激減し、営業担当者も客先を訪問できない状態にあり、有効な対応策はみつかっていない。

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◆  5月14日付 

 郵送・投函で入札実施〜名国協「緑化記念市」、北洋タモ200立方メートル出品予定

 名古屋国有林材協同組合(梶浦好弘理事長)は5月の原木市「緑化記念市」の開催について、会場での入札会を取りやめ、郵送または木材展示場に設置する入札箱への投函により実施すると公表した。
 同市の出品内訳は木曽森林管理署委託材が木曽ヒノキ約10立方メートル、組合出品材が木曽ヒノキ20立方メートル、組合員出品材が木曽ヒノキ、スギなど針葉樹約60立方メートル、タモなど広葉樹200立方メートルの計290立方メートル。広葉樹はロシア産タモの新鮮材が200立方メートル入荷する予定。
 原木展示は23日から26日午前11時まで、愛知県飛島村の木材展示場で行われる。開門は午前7時で午後5時まで。木材明細書が用意される。
 入札は23日から26日午前11時までに木材展示場に設置する入札箱へ投函するか、26日正午までに入札書が届くよう同協組へ郵送で行う。開札は26日午後1時から、同協組監事立ち会いの下で行われる。
 問い合わせは TEL052‐321‐7902へ。

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◆  4月30日付 

 出品量抑えて開催、応札順調も単価渋め〜下呂総合市売協組「36周年記念市」

0430  下呂総合木材市売協同組合(岐阜県下呂市乗政、杉山永喜理事長)は22日、「36周年記念市」を地元産ヒノキ、スギを主体とする約1000立方メートルの出品量で開いた。出品材のうち市売分は約350立方メートル、残りはシステム販売。
 感染拡大防止の観点から出品量を抑え、遠方の買方は事前入札とし、地元の買方のみが来場した。杉山理事長=写真=はあいさつで「この状況下でも来場いただき、お礼申し上げる」と述べた。
 「今シーズンの新鮮材を手当てする最後の機会で丸太は欲しいが、先がみえないため高くは買えない」などの思惑が入り乱れ、応札は順調も、単価は抑え気味だった。
 ヒノキは全般に売りやすかったが、スギは売りづらく、特に大径材は敬遠された。
 主な出来値はヒノキが4メートル中目1万5000〜1万7000円、元玉の役柱取り1万8000〜2万5000円、尺上の良材2万5000〜3万5000円。スギは4メートル中目が良材でも1万〜1万2000円、並材が8000円前後、径級40センチ以上は1万4000円前後だった。

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◆  4月27日付 

 来場者減少も高い手当て意欲〜東海相互・西部「開設満15周年市」、密集・密着避け実施

0427  東海木材相互・西部市場(愛知県飛島村木場、鈴木善一朗市場長)は21日、「開設満15周年記念市」を製品6100立方メートル(外材除く)の出品量で開催した。203社の実買い上げにより国産材が1830立方メートル、外材が800立方メートル買われ、売り上げは前年を42%下回る1億800円だった。平均単価は国産材が立方メートル当たり6万5000円、外材は6万円、来場者は65社。
 新型コロナウイルス感染予防のため来場者にはマスク着用と手指の消毒を徹底させた。また開市の時間を変更し、昼食の提供を休止。式典なども行わず時間短縮を図った。
 訪れたのは地元の買方のみで、全体の来場者数は昨年の半分程度となったが、密集・密接状態は回避した。セリは通常時と比べ、セリ子と立ち会い者の間隔を広げて実施された=写真。
 来場減のため売り上げも減ったが、立ち会った買方は手当て意欲が高く、売れ行きは良好だった。売れ筋は造作材、羽柄材、銘木類などで、需要の先行きが不透明なため、高額材や構造材は売りづらかった。
 単価は保合で安定。コロナ禍でも乱高下することなく、冷静さを保っている。

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◆  4月23日付 

 単価渋めも売行き良好〜鈴鹿木材の58周年市、コロナ厳戒態勢で開催

0423  鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市徳居町、森啓介社長)は16日、「58周年記念市」を、ヒノキ・スギを主体とする素材と製品約3000立方メートルの出品で開いた。
 来場者は受け付け時に検温と手指の消毒を実施。昼食は食堂を使わず外で配布するなど新型コロナウイルス感染防止を図りながらの開催となった。
 感染拡大の影響で来場者数は少なめだったが、買気のある業者が多く、商況は良好だった。伐採期の新材を手に入れる今年最後の機会ということもあり、全般に売りやすかった。ただ先行き不安から単価は渋く、相場は弱保合。売り上げは5300万円と前年を下回った。
 主な出来値はヒノキ3メートル×16〜18センチ役柱取り2万〜2万5000円、4メートル中目1万6000〜1万8000円、良材が2万5000円前後、尺上の元玉良材が4万円前後。
 スギは3メートル×22〜24センチ1万〜1万2000円、4メートル中目1万2000〜1万3000円、太物良材は1万8000円だった。

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◆  4月20日付 

 新型コロナ影響か並材買気低下で安値の傾向〜岐阜県森連・東濃の定例市

  岐阜県森連・東濃支所林産物共販所(岐阜県恵那市、安田博孝所長代理)は9日、定例市をヒノキ、スギなど原木総量1190立方メートルの出品で開催。落札率99%で、売り上げは1394万7000円だった。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響が出始め、並材は全般に買気が低下。単価も安値傾向となった。ヒノキは元玉の高齢級良材と枝打ち材の人気は継続しているが、並材は売りづらさがあった。
 スギは品薄傾向が続いており、4メートル良材は変わらず人気。ほかは売りづらかった。システム販売では安定的な供給が行われている。
 単価は弱保合。主な並材の出来値はヒノキ中玉の柱取り3メートル×16〜22センチが平均1万7600円、24〜28センチ1万4500円、4メートル×16〜22センチ1万8000円、24〜28センチ1万5000円。スギは3メートル×16〜22センチ1万2500円、4メートル×16〜20センチ1万2600円、4メートル×24〜28センチ1万2500円、6メートル×18〜20センチ1万3000円だった。

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◆  4月16日付 

 東海地方の業界の現況〜工場、稼働堅調も先行き懸念、木材市場は感染対策して継続

 愛知県は10日、県独自の緊急事態宣言を発令した。これにより新型コロナウイルスの感染拡大状況は、新たな段階に入ったといえる。「コロナ禍」では総会やイベントの中止など、すでに大きな影響が出ているが、木材業界の仕事面への影響はどうなっているのか。業界の現状を聞いた。
 在来工法のプレカット工場は今のところ、ほぼ通常どおり稼働している。進行中の物件は「コロナ禍」以前からのものであり、仕事量はあまり減っていない。今後、6月までは生産の予定が入っているが、7月以降は一気に不透明となり、見通しは立っていないという。
 木材市場は感染防止対策を十分に行った上で業務を継続するという姿勢のところが多い。ただ市の運営に関しては若干、対応が分かれている。
 鞄穴C木材相互市場は西部市場、大口市場とも昼食の提供を休止し、タイムスケジュールを変更して開催時間の短縮を図る。
 西垣林業竃シ古屋市場は市日を「特売日」とし、セリの立ち合いや商談会を中止する。昼食の提供も行っていない。ウッドピア市売協同組合は「周年市」を中止した。当面は地元の買方を対象に、平市を開いていくとしている。
 2×4パネル工場はプレカット工場と同様、「コロナ禍」前に受注した仕事で稼働しているが、在来工法より失速が早く、「5月から減少」とする声が多い。最も懸念しているのがランバーの入荷で、最大の供給先である米国の経済がコロナでストップすると、カナダの木材生産も止まり、結果的に日本への供給も止まると予想されている。
 複数の木材企業では「どこそこの企業・工場で感染者が出た」というような話をしないよう社員に通達している。デマの発信源になるばかりか、木材業界全体への風評被害につながり、自らの首を絞めかねないためだ。
 国難といえる状況下、業界が一致協力して乗り越えなければならない。

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◆  4月13日付 

 売行き良好も単価弱含み〜東濃ヒノキ白川の「花見市」、マキ、サワラに好値も

0413  東濃ヒノキ白川市場協同組合(岐阜県白川町、加藤一昭理事長)は8日、「花見市」をぎふ証明材1227立方メートルの出品量で開いた。
 開市前に加藤理事長があいさつし、新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるよう買方に呼び掛けた。
 買方に買気があって応札は順調に進行。元落ちが少ない展開で売れ行きは堅調だった。
 ただ単価を抑える傾向が強く全般に安値で、先行き不安から在庫はしておきたいが、高くは買えないといった買方の事情がうかがえた。
 相場は弱含み。主な出来値はヒノキが4〜6メートルの元玉良材で3万円、売れ筋は4メートル材が1万6000〜1万8000円、3メートル材が1万6000円前後。
 スギは元玉の4メートル材が1万2000〜1万4000円、並材は8000円前後だった。
 出品材のうち、5メートル×40センチのマキ=写真=に立方メートル当たり26万円の価格がついて会場が沸く場面があった。
 また、サワラ4メートル材が元玉で7万円、2番玉で3万5000円など好値で売れた。

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◆  4月9日付 

 単価に厳しさも売行き良好〜東海林材、記念市を通常市に変更して開催

0409  鞄穴C林材市場(愛知県豊橋市野田町、小杉智一郎社長)は4日、地元三河産材を主体とする出品で通常市を同社の新城市富栄の中間土場「ログステーション鳳来」で開いた。
 本来は「63周年記念市」を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により、遠方の買方が来場できないなどの諸事情を考慮して通常市に変更。地元の買方のみの立ち合いで行われた。
 感染拡大による景気低迷で苦戦も予想されたが、セリが始まると売れ行きは良好で「単価は厳しいが、売りやすい」(纐纈進専務取締役)状況となった。
 先行き不透明で単価は伸びなかったが、これから丸太の質が下がる時期のため、今のうちに買っておこうとする買方が多かったとみられる。
 ヒノキ7メートル×54センチに立方メートル当たり29万円、6メートル×52センチに20万円など良材には高値を唱える場面もあった。
 主な出来値はヒノキが中目から尺上1万7000円前後、並材1万5000円前後。スギは中目から尺上1万2000円前後、並材は8000円だった。
 今後、通常市は予定どおり実施する方針。5月または6月の市には130年生の鳳来スギを出品する予定。 

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◆  4月6日付 

 中国からの入荷、前月比77%減〜2月合板輸入量、5カ月ぶり20万立方メートル割れ

 日合連が財務省「貿易統計」からまとめた2月の合板輸入量は17万4556立方メートル(前年同月比22・8%減)と、16カ月連続で前年同月実績を下回った。1月比では27・8%減。リーマンショック後の2009年2月以来、11年ぶりの低水準となり、昨年9月以来、5カ月ぶりの20万立方メートル割れとなった。
 うち中国からの入荷量は1万5448立方メートル(62%減)で、前月比では77%減となった。新型コロナウイルスの感染拡大により現地の物流が停滞したためで、2万立方メートル割れは05年以降で初めて。また東南アジア産でも中国を経由してくるものには遅れが生じており、マレーシア産は7万3315立方メートル(15・3%減)、インドネシア産は7万2256立方メートル(13・2%減)と、ともに前年同月を下回った。産地の合板価格の上昇なども背景にあるとみられる。
 中国では工場の生産や出荷の再開が相次いでいるようだが、今後はマレーシア、インドネシアの生産・出荷の停止が懸念される。

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◆  4月2日付 

 様子見、売りづらさ目立つ〜東海相互・大口「期末謝恩市」、売上げ1.6億円に減少

0402  東海木材相互・大口市場(愛知県大口町河北、小森淳史市場長)は3月27日、「期末謝恩市」を開いた。出品量は素材2400立方メートル、製品5900立方メートル、売り上げは素材7300万円、製品8800万円、計1億6100万円で、前年を10%下回った。平均単価は素材が立方メートル当たり3万8800円、製品7万9900円、買い上げ者は228社。
 新型コロナウイルス感染拡大による経済減速の影響が大きくなってきた。素材は様子見姿勢で売りづらさが目立ち、平均単価は全体で前年を上回ったが、出品材にスギが少なかったことによるもので厳しさが残った。
 主な出来値はヒノキ中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万7000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万7000円、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万8000円。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万4000円、4メートル×30センチ上1万4000円で、いずれも横ばい。
 製品市も水回りなどの住設機器の欠品により住宅の工事が滞っている影響から買方の手当て意欲は鈍かった。ただ板類や造作材の良材などを粘りの商談で販売したことにより、売り上げは前年を7%上回った。

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◆  3月30日付 

 ケヤキ、カバ板などに好手当て〜大銘協「銘青展」、300人来場でにぎわう

0330  大阪銘木協同組合(大阪府摂津市、吉本登志貴理事長)は18〜19日、全国銘木青年連合会主催の「第38回銘青連・全国優良銘木展示大会」を開いた。林野庁、大阪府、摂津市の後援の下、2年ぶりの同展開催に全国から約3200点の出品があった。即売前日の審査では農林水産大臣賞のケヤキ長尺厚板=写真=など18点の入賞が決められた。小間出品の銘青会イベントも注目を集め、一般見学者ほか延べ300人の来場者でにぎわった。
 広葉樹関係は、ケヤキの耳付き、割材は安定した人気から売れ行き良好。ケヤキと人気を分け合うカバ長尺材(林野庁長官賞)も好値で手当てされた。タモやケンポナシ、クリなども買われ、厚板の人気が続いた。
 製品(針葉樹、天井板、床柱関係)はスギ厚板に人気が集まり、価格も上々で全体の50%を売り切った。半面、屋久スギ製品は不落が多かった。
 天井板は秋田と高知の二大産地から源平、杢、柾が出品されたが全般に品薄から引き合いは活況だった。
 主な受賞者は次のとおり。
【農林水産大臣賞】ケヤキ厚板(岩田木材)
【林野庁長官賞】カバ長尺板(高田銘木店)▽クリ厚板(富士保銘木)▽ベニヒ厚板(ひなもり銘木)
【大阪府知事賞】タモ厚板(DMB東海建材)▽スギ杢柱(橋本銘木)▽スギ杢天井板(TFサガワ)
【摂津市長賞】ケヤキ厚板(マルタ製材所)▽屋久スギ厚板(伊藤銘木)▽スギ杢天井板(袴健銘木)

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◆  3月23日付 

 誠実な経営判断で荒波乗り越え〜服部産業、創業300年で社史編纂

 服部産業梶i名古屋市中区、服部伸一社長)は今年、創業300周年を迎えた。その記念事業として編纂を進めてきた社史「服部産業株式会社とその前身、橘町板屋の300年の歩み」をこのほどまとめ、関係者に配布した。服部社長の妻で弁護士の由美氏が編纂したもので、菊版262ページにわたり、豊富な資料に基づいて同社の歴史を記した。なお同社は今月6日、名古屋市内のホテルで取引先など関係者350人を招き「創業300周年感謝の集い」を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、やむなく中止した。
 名古屋では材惣木材鰍ニ並ぶ老舗として知られる服部産業だが、社史を編纂したのは今回が初めて。10代当主の服部社長は前書きで「弊社の歴史は分断の連続で、残念ながらノウハウや技術の蓄積・継続はなかった。腕のいい大工を組織して著名な武士や商人屋敷の建築を請け負ってきたこと。台北や大阪・長堀に支店があったこと。器量製造の工場があり、恵比寿大黒の登録商標の升を、全国規模で販売してきたこと。弊社の過去にそうした事実があったことすら知らなかった」と述べている。
 そして「もし、これを肯定的に解釈するならば、それぞれの時代、歴史の荒波の中で容赦なく訪れた危機に対し、誠実な経営判断をし、新規事業に取り組み、さらには運気も相まって300年続いてきたと考えられ、数多くある会社の中でも稀有(けう)な存在なのかもしれない」と述べた。

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◆  3月19日付 

 「新型コロナ禍」も好手当て〜平野木材「広葉樹市」、ケヤキ杢盤に160万円

0319  平野木材梶i岐阜県各務原市須衛町、平野健一社長)は12日、広葉樹市を開催。午前8時から丁物・製品・半製品などのセリ売りを行った。来場者に手指の消毒とマスクの装着を呼び掛け、マスクを持っていない買方には一人一枚に限り渡すなど、新型コロナウイルス対策を十分に実施して開市した。
 感染拡大による経済の大減速が伝えられ、同社では相当な苦戦を予想していたが、当日の来場者は多めで手当て意欲が強く、高額材も出る良好な商いとなった。
 意外な好調に平野社長は「世の中が自粛や中止ばかりで閉塞感があるため、通常どおりの暮らしがしたい気持ちの表れではないか」と話した。
 主な出来値は、外の土場では幅の広いケヤキ盤が6万円前後、3・4メートル×77×7センチのクスが5万円前後、ブラックウォールナット盤2メートル×90×8センチが8万円前後、主流は6万円と、好値でセリ落とされた。
 中の倉庫ではケヤキ杢の長さ3メートル、幅1メートル前後の盤に高額を唱える品が複数あり、最高160万円でセリ落とされた。
 ほか、ケヤキ盤の主流は15万円前後で売りやすく、シンガポールマホガニー盤の3・6メートル×80×7センチが7万円前後、ブビンガ盤2・1メートル×170×7・5センチが20万円、パープルハート盤は15万円前後と、人気材は高値で買われた。
 次回市は4月16日に開かれる。

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◆  3月16日付 

 ヒノキ堅調、スギは売りづらさ〜東濃ヒノキ白川「お彼岸市」、サワラ評価高く好値

0316  東濃ヒノキ白川市場協同組合(岐阜県白川町三川、加藤一昭理事長)は11日、「お彼岸市」を、ぎふ証明材1370立方メートルの出品量で開いた。
 開市前に加藤理事長があいさつし、9年前の東日本大震災の犠牲者に対して哀悼の意を表した。また新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の減速については、木材業界にどのような影響があるのか、まだはっきりと分からないが、日々の業務を真摯(しんし)に続けていくと述べた。
 出材状況は年末年始から先月まで順調で、今月もまずまずだが、経済状況や単価低迷などにより山が出材をセーブしており、今回市の出品量は前月比で2割ほど減少した。
 買方の手当て姿勢は良好で単価は渋いものの、ヒノキは元落ちも少なく買い進まれた。ただ、スギは売りづらく特に径級30センチ前後は元落ちが目立った。
 相場は弱保合。主な出来値は、ヒノキが4〜6メートルの元玉良材で3〜4万円、売れ筋は4メートル材が1万8000円前後、3メートル材が1万7000円前後。スギは元玉4メートル材が1万3000〜1万5000円、並材は9000円前後だった。
 出品材のうち、サワラの評価が高く、5メートル×46センチ=写真=の10万円を筆頭に4〜7万円の好値で落札された。

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◆  3月12日付 

 逆境の中、売上げ1割減〜西垣・名古屋「61周年記念市」買気薄く、苦戦

0312  西垣林業・名古屋市場(名古屋市瑞穂区、中村智幸市売部長)は4日、「満61周年記念市」を開いた。143社の買い上げにより、売り上げは10%減の2億2500万円、平均単価は立方メートル当たり8万3000円、来場者は100人だった。
 午前11時の展示品タイムセールでスタートし、昼食をはさんで午後にセリ売りが行われた。セリ売りの前の式典で西垣貴文専務が、愛知建築士会と連携した都市の木質化推進の議論が盛んになっていることを紹介し、「先行き不安な状況だが、住宅の木造率を上げる余地があり、非住宅の需要も大きい。木材業界にはたくさんやることがある」と述べた。
 新型コロナウイルス感染拡大により手指の消毒、手洗い、うがいなどを敢行した上での開催で、来場者が前年を20人下回るなど影響が大きかった
 買方の姿勢は様子見で買気は薄く、セリも苦戦模様だったが、問屋が粘り腰の商談で売り上げを積み重ね、減少幅を前年比10%程度にとどめた。
 相場は、大きな下げはないものの、経済の先行き不安から弱気配が漂っている。
 今月25日に「周年感謝セール」を開く。

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◆  3月9日付 

 森林組合の基盤強化、多様な連携図る〜林野庁、組合法改正法案公表

 林野庁は3日、森林組合法の一部を改正する法律案にかかわる記者懇談会を農林水産省会議室で開き、同法案について説明した。同法案では森林組合が地域の森林整備に取り組みながら販売事業を拡大し、経営基盤の強化を図ることができるよう、組合組織の運営などに関する制度の見直しを行う。来年4月1日の施行をめざし、今国会に提出、成立させたいとしている。6日に閣議決定された。
 戦後に植林された人工林が本格的な利用期を迎える中で、森林経営管理制度や国有林における樹木採取権の付与など森林・林業に関する制度改革が進んでいる。地域の林業経営の重要な担い手である森林組合には、これら制度における森林整備などの担い手「意欲と能力のある林業経営者」として、さらなる森林の経営管理の集積・集約、木材の販売などの強化、山元への一層の利益還元などの役割が求められている。
 このため同法案では現状の森林組合の課題として、(1)販売規模の一層の拡大、(2)後継者世代や女性の参画の遅れ、(3)理事会運営の活性化―の3点を挙げ、法改正で対応することにより森林組合の組織強化などを狙う。

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◆  3月5日付 

 ヒノキに売りやすさ〜鈴鹿木材「新春特別市」、来場者減も売行き堅調

0305  鈴鹿木材梶i三重県鈴鹿市、森啓介社長)は2月26日、「新春特別市」を、ヒノキ・スギを主体とする素材と製品約3000立方メートルの出品で開いた。  三重県、奈良県にある複数の原木市場と市日が重なったことから来場者は前年に比べて少なかった。最近は市況が低調で、苦戦も予想されたが、おおむね堅調な売れ行きで推移した。
 選別買いの傾向が強く、ヒノキは欠点がなければ売れたが、スギは大径木や色の良くない材は「何をしても売れない」状況。スギ大径木の売りづらさは同社だけでなく、原木流通全体の課題になっている。
 相場は保合だが、新型コロナウイルスによる景気冷え込みの懸念が広がっていることから、やや弱気配も漂っている。主な出来値はヒノキが5メートル×50センチの立方メートル当たり28万円を筆頭に、尺上の元玉良材が5万円前後、一般材は4メートル中目が2万円前後、3メートル柱取りが1万8000円前後。
 スギは4メートル×22〜24センチが1万〜1万2000円、4メートル中目が1万1000〜1万3000円、太物は売りづらく良材でも2万円前後で、一般材の尺上は1万〜1万5000円だった。

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◆  3月2日付 

 非住宅部材も対象化を検討〜日集共済会の通常総会、瑕疵保証制度普及に尽力

 日本集成材共済会(武本哲郎会長)はこのほど、第19回通常総会を東京都千代田区のKKRホテル東京で開いた。総会では2019年度事業報告、収支決算、20年度事業計画、収支予算、瑕疵保証制度の規定一部改正の議案について審議し、すべて承認可決した。
 20年度の事業計画では新規会員の加入促進や会員の登録更新を進めるほか、「瑕疵保証付き集成材」の品質向上のための技術研修会などの実施、同集成材の需要拡大に向けた会員工場の見学会や各種媒体によるPR、普及啓発事業などを進めていくとした。
 さらに同会が実施する「構造用集成材瑕疵保証制度」では現在、住宅用部材のみを対象としているが、近年の需要動向やニーズなどを踏まえて、非住宅用の集成材も対象とするような仕組みを構築していきたいとの考えが示された。
 「構造用集成材瑕疵保証制度」では、登録組合員(今年1月1日現在で19社)が生産、販売する構造用集成材に起因して瑕疵が発生した場合、製造日より1年3カ月以内に使用して完成した建物について、10年の保証を行う。工務店などの住宅供給者には瑕疵保証対象である「日集共済」マークの集成材を使用することで、瑕疵が発生した場合にもリスク回避ができるメリットがある。
 2001年の同制度発足から昨年末までの約19年で瑕疵保証対象の集成材製品の出荷量は448万3265立方メートル(住宅約67万戸分に相当)に達しているが、今のところ瑕疵保証の対象となるような事故は1件も発生していない。

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◆  2月27日付 

 連携して木造・木質化を推進〜愛知県木連と建築士会が協議会を設立

0227  一般社団法人愛知県木材組合連合会(県木連、西垣洋一会長)と公益社団法人愛知建築士会(柳澤講次会長)は19日、「環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会」の設立総会および記念シンポジウムを名古屋市中村区のキャッスルプラザで開き、280人が参加した。森林から都市まで、持続的に発展する循環型の低炭素社会を構築しようと、両団体で設立準備が進められていたもので、木材関連業者、設計士、行政、住宅業界関係者など、幅広い分野の参加者により、熱のこもった設立総会となった。
 最初に柳澤会長は「古来、日本ではモノを大切にし、リサイクルも行われてきた。しかし技術開発が進み、大量消費社会となってCO2を多く排出するようになった。木材という持続可能な資源を利用する意義は大きく、都市の木造化・木質化を進めようと木材業界の皆さんと協議会を立ち上げた」と設立の経緯を述べた。来賓に招かれた森岡仙太愛知県副知事は「愛知県は県面積の42%が森林で、うち65%が人工林。この8割の森林で資源が利用可能となっており、木材の有効利用の促進が必要。そのためには設計分野との連携が大切だ」と訴えた。
 この後、公益社団法人日本建築士会連合会の三井所清典会長が「森と都市をつなぐ木造化・木質化に果たす役割」をテーマに基調講演を行った。
 三井所会長は日本の木造建築物の歴史に触れて「先人の工夫により木造建築物が根づいたが、日本だけでなく西洋も歴史は古い。戦後、資源の枯渇や不燃化など安心・安全という面から、木造の研究や木造での建築が止まった」と述べた。

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◆  2月24日付 

 出品減も単価上昇から売り上げ増加〜岐阜銘協「梅まつり市」、多彩な広葉樹原木に好値

0224  岐阜県銘木協同組合(岐阜市茶屋新田、吉田芳治理事長)は13〜14日、「梅まつり特別市」を開いた。  荷動きが鈍化する中で集荷に苦労し、出品口数は製品が2726口と前年を下回り、原木も460口と少なかった。市況動向への関心は高く、2日で延べ290人と前年同市を上回る参加者が集まったが、手当て姿勢には慎重さがみられた。  それでもセリの進行に時間をかけるなどの努力により製品4811万円、原木3341万円、計8152万円と前年比約10%増の売り上げを確保した。  実需の低迷で在庫がさばけず、全般に様子をうかがうムードが強かった。製品は10〜20万円クラスの板類が中心だが、高値が出にくい状況。2メートルトチ板19万円のほか、12〜14万円が人気どころで、高額製品はなかったが平均単価が伸び、出品減でも売り上げの増加につながった。  このほか、ゼブラ、ウォールナット、チェリー、パープルハートなどの外材板類に人気が集まった。一方、ケヤキ柱、丁物、盤類は人気が薄く当用買い。  原木ではトチ=写真=が立方メートル当たり30〜45万円と小ぶりながら好値で買われた。ケヤキの本代200万円のほか、ポプラ65万円など広葉樹の多様な樹種に手当てがあり、原木の売り上げも伸びた。  次回は3月13〜14日、年間3大市の一つ「桜まつり特別市」が盛大に行われる。

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◆  2月20日付 

 3.4mサクラに立方メートル当たり100万円〜東海大口の「銘木市」、製品市は好調

0220  東海木材相互・大口市場(愛知県大口町河北、小森淳史市場長)は14日、「東海・銘木市」を開いた。出品量は素材3100立方メートル、製品5500立方メートル、売り上げは素材1億5100万円、製品1億400万円、総額2億5500万円と、ほぼ前年並みだった。平均単価は素材が立方メートル当たり6万800円、製品12万500円、買い上げ者は256社だった。
 素材市は、大径材が売りづらい状況が数カ月続いている。今回もスギやヒノキは、欠点の少ない丸太は好値で売れたが、前年と比べて平均単価が下がった分、売り上げも前年を下回った。
 一方、3・4メートル×94センチのサクラ=写真=が立方メートル当たり100万円でセリ落とされるなど、広葉樹が高値で買われて土場が沸く場面もあった。
 主な出来値はヒノキ中玉3メートル×16〜18センチ柱取り1万7000円、土台取り4メートル×16〜18センチ1万7000円、長柱取り6メートル×16〜18センチ2万8000円。スギは3メートル×16〜18センチ柱取り1万2000円、4メートル×24〜28センチ1万4000円、4メートル×30センチ上1万4000円で、いずれも横ばいだった。
 製品市は前年を47%上回る売り上げで、平均単価も大幅に上昇した。住宅需要が好転したわけでなく、非住宅の大型物件などが入ったとみられる。素材市の売り上げが下がった分を製品市で補った。

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◆  2月17日付 

 日米協・名古屋支部の視察記〜愛媛・サイプレス・スナダヤの大型工場見学

0217  日本米材協議会・名古屋支部(嶺木昌行支部長)は7日、愛媛県西条市にある潟Tイプレス・スナダヤ(砂田和之社長)の「東伊予インダストリアルパーク工場」を訪れ、製材、集成材、CLTなどを生産する、国内有数の大型生産施設を視察した。同協議会一行9人は砂田社長と砂田雄太郎専務取締役営業本部長に出迎えられ、事務所で工場の概要などについて説明を受けた後、両氏の案内の下で工場に入り、稼働状況を見学した。
 同社は1688年(元禄元年)から「砂田屋」の屋号で塩田業を営んでいたが、塩の生産で使用するサクラを材料とする塩田用具「塩鍬(しおくわ)」の製造・販売を行っていた縁から、1892年(明治25年)に「砂田屋材木店」を開業。その後1991年に潟Xナダヤへ商号変更し、米ヒバ、スプルースなどを中心に製材事業を拡大した。
 2005年には潟Tイプレス・スナダヤに商号変更。外材産地の事情、国産材供給の拡大など環境が大きく移り変わる中、08年に国産ヒノキの製材、集成材の生産に着手するなど主軸を転換した。18年に大型新工場を完成させ、今後の需要増が期待されるCLTの生産ラインを設けた。
 工場は敷地7万平方メートルの中に、製材棟(3500平方メートル)、集成材生産棟(1万5000平方メートル)、CLT生産棟(7900平方メートル)のほか、広大な国産材丸太の貯木場を擁する=写真は製材工場の内部。
 現在の製材工場の丸太消費量は、国産ヒノキを中心に年19万立方メートルほど。かつて中心だった米ヒバは現在、ラミナの輸入はあっても丸太の製材は行っていない。素材の生産が活発な愛媛県で製材、集成材の生産量トップを誇り、全国でも最大手メーカーとして知られている。
 外材需要が8割を占める時代から、国を挙げた国産材のシェア拡大という木材を巡る著しい環境変化の中、材木店の創業から約130年という同社も近年は大きな経営方針の転換を迫られてきた。
 1997年、国内で初めて米ヒバ集成材の生産に着手し、米ヒバやスプルースの役物、土台の製材、集成材の製造などにも手を広げた。この後、使用部位や市場が近く、全国的にも生産量が多い地元のヒノキに注目し、原料の転換を図った。

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◆  2月13日付 

 産業用太陽光「ゼロ円設置事業」着手〜サンコーの新春講演会、今年の方針など説明

0213  潟Tンコー(名古屋市中川区上高畑、加藤秀司社長)は4日、新春講演会を名古屋市中区栄の名古屋東急ホテルで開き、加藤社長が取引先などへ向けて今年の取り組みテーマを説明した。
 加藤社長=写真=は今年の大きな波として「建設キャリアアップシステム」、「民法改正」の2点を挙げた。
 建設キャリアアップシステムは、建設技能者が、その有する技能と経験に応じて適正な評価や処遇を受けられる環境をつくることを目的とするシステム。事業者、技能者をデータベースに登録し、技能者はレベル1〜4に分けて評価、仕事履歴を蓄積することでキャリアアップを明確にし、若手の育成などをめざす。国土交通省が普及に本腰を入れており、加藤社長は「まずは事業者登録を」と同制度に備えるよう呼び掛けた。
 民法改正については瑕疵責任の厳格化が予想されており、住宅問題に詳しい秋野卓生弁護士によるセミナーを4月3日に開く。
 このほか、エネルギー関連については、ドイツの視察について報告。ドイツが再生エネルギーに熱心なのは環境意識からでなく、電気料金が高うため、創エネや自家消費による恩恵が多いからで、日本でもこれから電気料金の上昇が予想されることから、再生エネルギーの重要性がさらに高まると述べた。
 蓄電池については、昨年の台風の襲来で停電が長期化する被害が発生し、蓄電池が非常に有効だったことから、太陽光および電気自動車のリースにあわせて太陽光発電と蓄電池のリース事業に注力するとした。
 さらに非住宅の屋根などを対象とする、産業用太陽光発電の「ゼロ円設置サービス」を開始すると発表した。太陽光システムで発電した電気の消費分の料金のみが徴収されるというもので、実施企業の設立準備に着手している。
 また「WB工法」を引き続き推奨することなど今後の方針について述べた後、メンタルプロデューサー川谷潤太氏による講演会「潜在能力を高め未来を創る」が行われた。

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◆  2月6日付 

 CLTと2×6工法で保育所〜ツーバイフォー建築協・東海支部が見学会

0206  一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会・東海支部(木野村好己支部長=葛ヲ和コーポレーション会長)はこのほど、屋根構造材にCLTを採用した2×6工法による保育所建設工事の現場見学会を建設地の名古屋市天白区梅が丘で開いた。
 設計・施工は三井ホーム梶i東京都新宿区、池田明社長)が担当。建築面積397・27平方メートル、延べ床面積385平方メートルの平屋建て施設で、見学会には同支部会員、愛知県の関係者ら24人が参加した。
 屋根構造材=写真=は銘建工業梶i岡山県真庭市、中島浩一郎社長)から調達した、5層5プライのスギCLTで、加工はヒノキブン梶i名古屋市西区、酒井文和社長)が行った。
 設計段階では防火上の制限などをクリアしつつ、CLTの現し部分を設けることにこだわった。また床や腰パネルにも木材を使用して「建物の内外を通じて木の温かみが感じられる保育所になる」(三井ホーム名古屋支店堀江氏)としている。
 同施設は3月13日に竣工する予定。

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◆  2月3日付 

 東大演習林マカバに立方メートル201万円〜旭川林産の広葉樹市、活発手当て

0203  旭川林産協同組合(高橋秀樹理事長)の1月道産広葉樹銘木市(通算第435回)が1月24日、広葉樹の冬山新材約1860立方メートル(うち官材308立方メートル、単椪のみ)の出品量で即売された。売上総額は1億370万円、全樹種の落札平均単価は5万7892円だった。
 広葉樹の丸太流通は昨年12月市からすべて今冬に生産された新材となり、主力樹種を中心に積極買いが続けられ、落札単価はいずれも高値の強気配となった。樹種別では特に人気の高いナラへ幅広い需要層から手当てが入り、終始高値で応札された。鮮度が決め手のマカバ、センも年1回の手当ての機会となる東大演習林材が高値で買い進まれた。中でも同協組理事長賞のマカバ(3メートル×44センチ、0・581立方メートル、写真)には立方メートル当たり201万円の最高値がつけられた。雑木ではメジロカバが生産減による出品不足から高値応札が続いた。
 次回市は28日午前8時10分から、2500立方メートル以上の出品量で即売される。

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◆  1月30日付 

 非住宅で2×4工法をPR〜東海2×4協議会のと新年会、アパートの仕事回復の声も

0130  2×4住宅コンポーネント会社らで構成する東海2×4協議会(鎌田茂徳会長=大日本木材防腐梶A正会員13社)は24日、情報交換会と新年会を名古屋市中区大須のローズコートホテルで行った。
 鎌田会長=写真=は「昨年の新設住宅着工戸数は前年比で減少しそうだが、この先も増加に転じるとは考えにくい。非住宅への取り組みが必要だ」と述べた。また、2階建て以下の非住宅の着工を住宅に換算すると20万戸分という試算があることを紹介し、「このうち、どれほどのシェアを取れるかが重要だが、2×4は他工法に比べてPRが足りない。業界が連携して非住宅は2×4で、という流れをつくろう」と呼び掛けた。
 各社の状況報告では「3月以降が見通せない」、「見積もりの依頼が激減した」という声が多かった。一方でアパート物件の仕事をメインにしている会員の中には「4月まで生産予定が詰まっている」という声もあり、ここに来てアパート物件が復調していることをうかがわせた。
 配送について、トラックドライバーの働き方改革を進める「貨物自動車運送事業法」の改正によって運送コストが上昇している状況も報告された。

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◆  1月23日付 

 非住宅、非構造材、輸出など注力〜中国木材の名古屋互礼会〜住宅着工減見据え

0123  中国木材梶i広島県呉市、堀川智子社長)は15日、新年互礼会を名古屋市中区の名古屋国際ホテルで開いた。
 冒頭、堀川社長=写真=は昨年の決算が好調だったことに謝意を示し、好決算の理由として消費税増税前の駆け込み需要があったこと、3月末の値下げまで主力商品の高い単価を維持できたこと、米材製材大手だった東亜林業梶i広島県福山市)の製材事業撤退による残存者利益があったこと、スギ集成柱の販売が好調だったことなどを挙げた。
 ただ、8月以降は徐々に反動減の傾向が出てきて、11月には売り上げが前年同月を下回り、さらにライバルであるレッドウッドの単価についていくため、米マツ構造材「ドライビーム」のさらなる値下げを余儀なくされるなど厳しい状況だったと述べた。
 また「当社はこれまで外国人実習生の待遇について優良企業といわれてきたが、このほど政府直轄の新機構が監査基準を大幅に引き上げ、実情に合わなくなった」として、外国人実習生の受け入れを取りやめたことを報告。人手不足も懸念されたが、派遣社員の待遇を見直して人材を確保しているとした。
 今後は少子化に伴う着工減を前提に、取り組む重点項目に「非住宅」、「非構造材」、「輸出」、「バイオマス発電」、「山林事業」を挙げた。主力の製材事業については多品種小ロットに応えていくことが大切とした。
 最後に「国立競技場の大屋根の構造材を被覆している集成材の半分は当社の鹿島工場で製造した。検品が非常に厳しく大変苦労した。ぜひ見てほしい」と語った。
 この後、潟}ノモクの真野義章社長の音頭で乾杯が行われ、懇親会に入った。

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◆  1月20日付 

 丸山会長「川上から川下まで連携を」〜東濃地域互礼会、都市の木造化に全力

0120  東濃地域林産協同組合連絡協議会、東濃地区木材青壮年会の主催による恒例行事「東濃地域木材産業新春互礼会」が10日、岐阜県中津川市の商工会議所ホールで開かれ、中津川市、恵那市の木材業者、行政関係者ら78人が出席した。
 主催者を代表して同協議会の丸山輝城会長(岐阜県木材協同組合連合会会長)があいさつに立ち「持続可能な開発目標(SDGs)の進捗状況を示すランキングで日本は11位から15位に落ちた。17の目標のうち、11が森林に関するもの。木材を使い、都市の木造化も進めなければならない」と述べた。また「山から住宅まで一元的に連携するサプライチェーンの構築が必要。業界を挙げて英知を結集しよう」と呼び掛けた=写真。
 来賓あいさつでは、所用により来場できなかった古屋圭司衆議院議員からのビデオメッセージが紹介された。同議員は「CLTをはじめ国産材を使用した都市の木造化に全力で取り組む」と述べた。

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◆  1月16日付 

 新年迎えて決意新たに〜関西木材業界が新年会、積極姿勢で需要獲得へ

0116  関西木材関連業界の新年互礼会が続々と開かれた。4日には大阪府摂津市にある大阪銘木協同組合(吉本登志貴理事長)、5日には一般社団法人平林会(村上高兒理事長)ほか5団体の年賀交歓会、同じく日本合板商業組合・関西支部(石本勝範支部長)と関西建材商社会(代表幹事会社=SMB建材)の合同賀詞交歓会などで、それぞれの代表者が今年にかける決意を示した。
 昨年10月の消費税率引き上げ後の景気動向は一段と弱気に転じ、新設住宅着工の先行きも販売競争の激化などで混迷を深めている。
 今年前半は東京五輪の開催による景気浮揚に期待がかかるが、年後半は深刻度を増す人手不足など、前途多難な経営のかじ取りを強いられる局面を迎えるとみられる。
 5日正午から平林会の交歓会が、新たな「街づくり」を合言葉に、大阪市住之江区のハイアットリージェンシーホテル大阪で開かれ、各団体の関係者約130人が出席した。
 主催者代表で村上理事長=写真=は歴史ある平林の再興をめざして「東京五輪の年、その経済効果に期待して1年をがんばろう」と気勢を挙げた。来賓代表の大阪市港湾局理事の井戸伸浩氏は「大阪港のコンテナの取扱量は昨年、5%伸びるなど、主にアジア各国との交流が深まっている。また一昨年は台風で甚大な被害が発生した。さらに東南海地震に備えた防災対策にも万全を期したい」と述べた。その上で「統合型リゾート(IR)施設の誘致をめざして、第6貯木場の埋め立てから、天保山の設備の建て替えなど港湾機能を整備強化するとともに、大阪府と大阪市の港湾局を一つにした大阪港湾局が発足する。迅速な意思決定により万全な防災にもつなげたい」とした。

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◆  1月13日付 

 西垣理事長「愛知を一番の木造県に」〜名古屋地区4団体合同新年会

0113  名古屋地区木材関係4団体(名古屋木材組合、名古屋建材商社会、日本合板商業組合・中部日本支部、中日本合板工業組合)共催の新年名刺交換会が7日、名古屋市西区のホテルナゴヤキャッスル「青雲の間」で開かれ、関連企業や行政関係者など480人が参加した。
 冒頭、主催者を代表して名古屋木材組合の西垣洋一組合長=写真=があいさつに立ち「今年も大変革期といわれるが、一陽来復の気持ちで、一つずつ課題を解決していきたい。2月には新たな木造建築物の需要創造を具体化するため、1年半にわたって準備してきた産官学共同による協議会を設立する。設計士、大学、木材業界が一体となって、需要創造への枠組みをつくる。さらに安心で喜ばれる住宅を提供するため保証、保険、維持管理などのインフラ整備も進めたい。愛知を全国で一番、木造建築物が建つ県にしたい」と抱負を語った。
 名古屋建材商社会を代表してあいさつに立った伊藤忠建材鰍フ柴田敏晶社長は「今年の干支のねずみは繁栄の象徴。また新しいサイクルが始まる年であり、環境とITがキーワードになるだろう。少子高齢化などにより新設住宅の需要縮小は避けられないが、『住宅の魔法瓶化』や施工の省力化・合理化、物流・流通などの変化は激しく、こうした分野の需要は増加する。自らのビジネスにどう結びつけていくかが鍵だ。ねずみも色々。ミッキーマウスのようなねずみになろう」と述べた。
 次いで中日本合板工業組合の内藤和行理事長の音頭で乾杯して祝宴に移り、日合商・中部日本支部長でメイゴー渇長の小田敏光氏が中締めのあいさつを行って閉会した。

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◆  1月2日付  新年特別新聞 ナンバー1

 【新春対談】日本集成材工業協同組合・佐々木幸久理事長、林野庁・本郷浩二長官

0102_1 0102_2  本格的な国産材時代に向けて、具体的な木材需要の拡大策が足元の課題となっている一方、大型台風など相次ぐ自然災害によって地球温暖化への懸念がますます強まり、低炭素社会に貢献できる木材の役割に関心が集まっている。また林業・木材産業は、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に寄与するとされ、これまでにないほどの期待を受けている。
 木材利用法の一つとして実績を挙げている集成材や新しい部材であるCLTなどは特に期待される分野で、とりわけ「都市の木造・木質化」には欠かせない存在だろう。
 新年に当たり、本郷浩二・林野庁長官と佐々木幸久・日本集成材工業協同組合理事長に「国産材時代における木材利用拡大への道」をテーマに対談をお願いした。(司会は本紙橋爪良和、文中敬称略、文責編集部)

 ―最初に長官から、日本の森林・林業や木材利用の状況についてお話しいただき、そこから議論を始めたいと思います。

 本郷
 いつも話していることですが、われわれの先人が戦後、苦労を重ねて植林した木が成長して今、ようやく日本中で大きくなっています。需要に対して圧倒的に大きい量ですから、木材需要を拡大しなければ、使われないまま放置されることになりかねません。全国の人工林の相当部分がお金に変わる需要を創り出していかねばならないわけです。
 持続性を第一義として資源を劣化させずに享受するわけで、伐り過ぎないという点で伐採量には限界があります。持続するということが最も大切であることは言うまでもありません。
 SDGsについては森林・林業、木材は17の目標のうち14項目に該当するとしていますが、私は全部が該当すると思っています。持続性、SDGsを実現し、将来につなげるために森林経営をどうするかを考えなければなりません。今、まさにSDGsの視点がないと資金を回さないと金融機関も言っているわけですから、産業界に木材を多く使ってもらえる契機になればと思いますね。

 佐々木 最初に長官が指摘された、木材の伐り過ぎということですが最近、鹿児島でも少し顕在化しています。私が住んでいる鹿児島県の大隅半島は特に過疎化が進んでいます。森林組合に聞くと7割の山が放置状態に近いと言います。大隅半島は国有林が3分1以上ありますので、そちらは大丈夫ですが、民有林については大体3割程度の山で生産されています。近いうちに40〜50万立方メートル程度の需要が、加工施設の新設や海外への輸出などによって出てくると思いますので、私の計算では12〜13年で伐りやすい山はほぼ伐ってしまうのではないかと思っています。もちろん、これは過疎化が進むこの地区でのことです。森林環境税という良い制度もできましたし、法改正による新しい政策も打ち出され、流れは良い方向に向かっていると思います。
 山の木は成長して大きくなっていますから、伐採コストは下がっています。素材業者の参入が非常に増え、所得も増えています。加工工場やバイオマス工場などへの出荷が伸び、働く人も若い人が増えています。先日も森林組合の関係者と径級による伐採コストの違いについて話したのですが、100立方メートル収穫するのに1000本集材するのと、30〜40本あるいは100本集材するのでは、伐採コストが全然違ってきます。そうなれば山元に返すお金も増やしていけます。
 一方で輸入材との競争は製品でも大変厳しい状況です。製品1立方メートルを製造するには4立方メートルの丸太が必要とされますので、加工業者に丸太価格を1000円下げて渡すことができれば、製品で4000円の競争力が増すという計算になり、輸入材との競争力が出てくると思います。

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